田植え前に「泥ふみ」 芳川小で農業体験始まる

松本市の芳川小学校で今年の農業体験の学習が始まり、9日は最初の作業として近くの田んぼで「泥ふみ」をした。5年生140人ほどが水を張った田んぼに入り、大歓声を上げながら土を踏み固める作業を楽しんだ。
この日は、あいにく季節外れの寒い朝。児童たちは、恐る恐るはだしを田んぼに差し入れた。すぐ退散する子がいる一方、多くは笑顔に。10アールの田んぼで走り回ったり泥をかけ合ったり。「めっちゃ服がぬれたけどまあいいや」と、弾んだ声が上がった。
宮原芽衣さん(10)は「スライムを踏んでいるみたい。おばあちゃんの畑は行ったことがあるけど、田んぼはなくて、楽しみにしていた。貴重な経験になった」と笑顔だった。
泥ふみは代かき作業の一環で、現在ほとんどの農家は行わないが、同校では例年実施しており、「一番の思い出」と振り返る児童もいるという。2001年から体験学習に協力している「芳川小学校スクールファーム支援会」の窪田英明会長(71)は、「子どもたちのパワーはすごい。この体験をきっかけに将来、1人でも2人でも農業に携わってもらえればうれしい」と話した。
同校では他に4年生がホウキモロコシ、3年生が加工トマトの栽培に取り組む。