松本地域子ども文庫・おはなしの会連絡会 子どもの読書推進読み聞かせなど活動

おはなし届ける活動広がれば

絵本やパネルシアターで次々と繰り出されるお話、わらべうた、手遊び。大人も子どもも引き込まれる「おはなし祭り」が6月2日、松本市松南地区公民館(なんなんひろば内)で開かれた。午前の親子向け「おはなし会」に64人、午後の「大人のおはなし会」と小道具製作に26人と、計90人が参加。主催は「松本地域子ども文庫・おはなしの会連絡会」だ。
子どもの読書推進や読書環境の充実に加え、読み聞かせなどの活動を発展させ、団体間の親睦や情報交換を図ろうと、市中央図書館と協働。同祭りや読書普及講座を開く他、昨年からは自主企画「おはなし会ステップアップワンコイン楽集会」をスタートさせた。連絡会発足時から活動する豊嶋さおりさんに、思いを聞いた。

「おはなし祭り」恒例イベントに

「松本地域子ども文庫・おはなしの会連絡会」は、1976(昭和51)年発足の「松本地域子ども文庫連絡会」に、地域で活動する団体が加わる形で2008年に誕生した。その際、記念事業として行った「おはなし祭り」が好評で、以降毎年恒例のイベントになった。
所属団体が絵本の読み聞かせやパネルシアター、朗読など、さまざまな「おはなし」を持ち寄って披露する他、クイズラリーや工作コーナーで小物作りなども実施。親子連れが楽しむだけでなく、読み聞かせの活動をしているボランティアや保育士らも「他の活動をしている人と交流できる」「勉強になる」と訪れる、人気のイベントになった。豊嶋さおりさんによると「毎回200人ほどの参加があった」という。
しかし、コロナ禍のため20年は中止になった。翌年からは「できる事をやろう」と規模を縮小しつつ再開。事前予約制にして参加人数を制限したり、午前の親子向けお話会と午後の大人向けお話会と小道具製作の2部制にしたりと、工夫しながら続けてきた。
現在、主体となって活動する本会員として4団体、会に賛同して事業に参加や協力をする賛助団体として10団体が加盟している。コロナ禍以降のおはなし祭りは、密にならないよう本会員だけで行ってきた。豊嶋さんは「来年から元の形に戻したい。賛助会員も参加者も、大人も子どもも一緒に楽しめる場所になれば」と話す。

活動制限期間も楽しく士気高め

コロナ禍の間はほとんどの場所で読み聞かせを制限され、活動や学びの場がなくなった。そこで一昨年、「楽しく学びながらおはなしのストックを増やし、士気を高めてコロナ後に備えよう」と会員に呼びかけ学習会を開催、好評だった。
昨年度からは「楽集(がくしゅう)会」を始めた。一般の人も参加し、絵本の選び方や魅力を学んだり、パネルシアターや小道具製作をしたりする。松本市内外の図書館司書や保育士、読み聞かせボランティアをしている人、これから活動を始めたいと思っている人などが参加。参加者同士が情報交換などをする場として定着してきた。
楽集会は「連絡会が目指す方向に近づいている気がする」と豊嶋さん。「おはなしを届ける活動の裾野が広がり、仲間が増え、さらにつながっていければ」と語る。
本年度は、来年2月までの間に全6回を予定。チラシを市内図書館に設置している。次回は25日午前10時~正午、「ロングセラー絵本の魅力名作絵本のひみつに迫る」と題して庄内地区公民館で開く。参加費500円(運営や講師謝礼に充てる)。問い合わせは豊嶋さんTEL090・9815・7203