松本藩・戸田家資料など市立博物館で初の収蔵品展

松本市立博物館(大手3)で初の収蔵品展「戸田家臣団─松本藩最後の武士団」が開催中だ。江戸時代、松本藩で最も長く藩主を務めた戸田家やその家臣にまつわる古文書や武具、資料など121点を展示している。6月17日まで。
戸田家は1617~33年と、1725~1869年(版籍奉還)の計約160年間、藩主として松本を治め、千人以上の家臣団がいた。
会場は主に江戸時代中期から明治時代までを5章で紹介。鷹匠(たかじょう)や忍者、儒学者としても活躍した家臣が使用していた品々や、市教育委員会による松本城三の丸跡の発掘事業で出土した茶わんなどの生活道具からは、家臣の個性や暮らしぶりがうかがえる。
また、幕末では藩主・戸田光則の元に家臣が甲冑(かっちゅう)を身に着け集合した「安政四年の甲冑揃え」を再現した展示や、和田峠の戦い(1864年)で家臣が着ていた生々しい胴着など、家臣が組織的にまとまり藩主と激動の時代を支えた姿が。さらに廃藩置県後の家臣の生き方、その子孫の活躍も伝えている。
展示にあたり、市と包括連携協定を結ぶセイコーエプソン(諏訪市)が会場演出をするなど現代的な見せ方を工夫。一部を除き会場内の撮影も可能だ。
担当学芸員の吉澤せり子さんは「素晴らしい資料が残っていることを多くの人に知ってもらい、後世にも伝えていけたら」と話す。
午前9時~午後5時。火曜休館。大人千円、大学生と70歳以上の松本市民700円、高校生以下無料。TEL0263・32・0133