アルプス乙女ユニオンズ 5月18、19日に初の単独公演「どん底」最下層の人の生きざま描く

弾き語りなど演出も注目

松本市を拠点に活動する演劇集団「アルプス乙女ユニオンズ」は5月18、19日、初の単独公演「どん底」を上土劇場(大手4)で開く。困窮する最下層の人々の悲哀を描いた物語を通し、いかに生きるかや幸せの意義なども問いかける演出が見どころだ。
「どん底」はロシアの劇作家、ゴーリキーの代表作。20世紀初頭、極度の経済危機にあった帝政ロシアで、貧しい木賃宿で人生を諦めながら暮らす人々の生きざまを描く。
一昨年旗揚げし、古典の名作「新劇」を得意とする同団。主宰し演出も手がける、こたとのぼるさん(同市)は、「格差社会でどん底を感じたり、戦争や災害などで底が抜けてしまったりした人たちもたくさんいる。一番大事なことは寄り添うことで、自分にとっての幸せが何か考えてほしい」と同作を選んだ。
松本のほか長野、上田などの演劇界で活動する14人が出演。加えて、こたとさんが松本市内でのライブを見て「独特の詩の世界が演劇的」とほれ込んだ歌手の竹内一成さん(33、岐阜県)が、巡礼のルカ役として各幕、せりふの代わりにギターで弾き語り。ラストは書き下ろしの新曲「真実の国」で幕が下りる演出だ。
年間に全国約120カ所を演奏で旅し、ルカとも境遇が重なる部分があるという竹内さんは「歌で心情を表現できたら」、こたとさんも「暗い話だが優しさを感じる芝居になれば」と意気込む。
公開ゲネプロが18日午後1時からでチケット千円。本公演は18日午後6時、19日午前11時と午後4時の計3回で、2千円(学生1500円、未就学児無料)。問い合わせはTEL080・3385・8848、メールharu2830mietaro@gmail.com