「山神信仰」題材荻野さん写真展

三重県鈴鹿市の写真家、荻野良樹さん(37)の個展「山神(やまのかみ)3」が5月26日までの土・日曜、朝日村針尾のギャラリー「BLUE HOUSE STUDIO(ブルーハウススタジオ)」で開かれている。同市周辺に伝わる「山神信仰」をテーマに、稲作や農業にまつわる風景の写真を展示。荻野さんは「山神とは何なのかを見る人に考えてほしい」と話す。山神は、春に山から山神が田んぼへ下りてきて田の神になるとされる民間信仰。全国にさまざまな形であるが、平野部の鈴鹿周辺では廃れつつある。荻野さんは約5年前、地元の農村風景を記録しようと撮影し始めたところ、町ごとにひっそりたたずむ「山神」と記された石碑に気が付いた。かつて年に1度行っていた山神祭りの話を、祖父から聞いて興味を持ったのをきっかけに、山神にまつわる話の聞き書きと撮影を続けている。「田んぼがあったから山神があった。信仰が人々の生活の一部だったのが面白い」と、あえて石碑ではなく、積み上がったもみ殻の山、使われなくなったコンバイン、昨年亡くなった祖父が手がけた畑など農のある風景写真を展示する。「信仰は時代とともに変わる。風景から山神を想像してほしい」山神シリーズは今展で3回目。同ギャラリーに依頼されて開いた。これまで撮影した写真を小冊子にまとめ、会場で販売している。正午~午後6時。入場無料。荻野さんは25、26日に在廊予定。同スタジオTEL080・2252・6061