老朽化した印刷工場改装し不登校の子らの居場所に

好きなこと見つける場に

不登校の子どもらが自由に過ごせる居場所「みなもと」が5月26日、松本市双葉に開所した。代表の佐藤友紀さん(同)が、実家がかつて営んでいた印刷工場を改装し、不登校に悩む子やその親たち、さらに高齢の父・甕(もたい)源治さん(90)の居場所にもなればと開いた。
老朽化した印刷工場を改装した、約40平方メートルのワンフロア。2019年からこつこつと準備を始め、自己資金で下水を通しトイレを付けるなどした。佐藤さんが幼い頃から父の職場として親しみ、子育てでつらかった時は一人で訪れたシェルターのような場所だ。
当初は、父親が隣の家から出てこられる個人的なスペースにと計画した。そうした中、佐藤さんが親しくする友人、藤原さおりさん(51、小諸市)、久保田瑞恵さん(47、松本市)が子どもの不登校で悩んだり、家以外の居場所を必要としていたことを知り、「みんなで使ったらいいかも」と開所を決めた。
当面のスタッフは藤原さんと久保田さんの他、佐藤さんと長年付き合いのある倉田志保さん(48、松本市)、甕さんも交代で加わる。漫画などを置き自由に過ごせるほか、子どもの自己肯定感を上げたり、学校ではできない体験をしたりといったことを考えている。
「みなもと」の名称は父の名前にちなんだのと、「子どもたちが生きる源になれば」との思いを込めた。佐藤さんは「学校に行けなくても、子どもは好きなことを見つけると強い。支援する場というより、子どもたちがふらっと来て好きなことをしたり、見つけたりする場になれば」と期待する。
開所は毎月第3、4月曜の午後1~6時。詳細はインスタグラム(mina_moto527)。問い合わせは、専用フォームから。