喫茶路上/Bar On the Road(塩尻市)参加型ライブ80回目 初心者もセミプロもステージに

日曜の午後、ギターを背負い続々と集まる老若男女。塩尻市広丘高出の「喫茶路上/Bar On the Road」が、月1回開く市民参加型ライブ「アコースティックナイト」だ。開始から11年。コロナ禍で約4年間休止したが、今年1月に再開した。セミプロの常連から、楽器を始めたばかりの人まで温かく受け入れる、アットホームな発表の舞台だ。
「オープンマイク」と呼ばれる、誰もが出演できる演奏イベント。参加方法は、開催中に店を訪れ、エントリーシートに名前を書き、出番を待つだけ。5月26日は80回の節目で、午後1時から6時までの間に11組が舞台に立ち、最後はセッションで締めくくった。
オリジナル曲から往年の名曲まで、ジャンルも曲も多彩。店備え付けのピアノやギターを使え、サックスやウクレレの演奏もあった。
ギター弾き語りで3曲を歌った生坂村の40代女性は「緊張したけれど楽しかった」とほっとした表情。演奏歴40年で初参加という大和芳憲さん(61、松本市寿豊丘)は「一期一会の出会いが面白い」と語った。
店内の約20席は常時ほぼ満席。拍手をし、トークに合いの手を入れ、ペンライトを振って-と全面応援。演者と観客の近さや、見守る温かさも魅力だ。
開催初期から出演し、音響などの運営も担う、セミプロミュージシャンのうめむらこうじさん(35、辰野町)も「塩尻にはライブハウスがないので、ライブができること自体がありがたい。表現したい人の手助けになれば」と無償で手伝う。
2010年に同市大門地区で、ライブバーとして営業を始めた同店。コロナ下で移転し業態を転換した。ライブ自体が敬遠される苦難の時期が続いたが、オーナーの米窪直美さん(54)は「試行錯誤してきたが、やっと元に戻り感慨深い。次は100回を目指す」と笑顔を見せる。
次回は6月30日。音楽だけでなく、お笑いやダンスなど人前で表現したい人も歓迎という。TEL0263・88・6776