Q 国語の教科書の音読が毎日の宿題です。本人だけでなく聞いている私も正直面倒くさいです。やらなくてもよいですか？（小学2年女子の母）
声に出すことで読解力の向上も
A 娘が幼いころ宿題の音読をしたとき、悲しい戦争の物語に思わず泣けてしまったことを思い出しました。でも実は私も「1回読めたからもういいや」と音読カードに印だけ付けて…（先生ごめんなさい）。今となっては後悔しています。
江戸時代の寺子屋の子どもたちは、論語などの素読（意味は理解しなくても良し）を日々行っていました。高学年での「枕草子」や「竹取物語」の暗唱も意味がないように感じますが、自分の声をしっかり出すことはいずれ表現力につながる。また、聞き慣れなくても多様な言葉のシャワーを自分で発して、自分の耳で受け取ると脳に言葉が「たまる」。そう考えると「声を出す」ことが貴重な学びになると思えてきませんか？
音読は黙読と違って読めない漢字や普段使わない言葉の使い方、文章のくくりが明確に分かります。句読点のところで呼吸のコントロールをしながら「てにをは」などの助詞や、「だから、しかし」などの接続詞を特に意識して大きめの声で読むと読解力がアップします。
国語だけでなく他の教科書も「音読して！」と頼みましょう。さすが教科書、とても上手にまとめられています。それを「誰かに伝えるために読もう」と努力しているうちに、自然と学習内容の理解が深くなります。
実は聞く側の大人にとってもメリットがあります。例えば「昔、勉強したなあ」などと記憶を思い返したり、「へえ、そうなのか」と新鮮な知識が脳トレになったり（笑）。さらに「難しい字が読めてる」「もうこんな内容を理解できるのね」など子どもの成長に感動！音読の宿題をうまく使って親子の時間を楽しんでください。（小島亜矢子さくら＊みらい塾代表）