【亜矢子先生に聞いてみよう!】#15 歴史が苦手です…

Q 歴史が苦手です。どうしたら興味が持てるのでしょうか。歴史マンガは買ってみましたが…。(中2女子の母)

マンガやドラマでもイメージさせて

A 「歴史は暗記科目だ」とよく言われますが、それは間違いです。一夜漬けで暗記し、定期テストで一時的に点数を取れてもすぐ忘れる(笑)。点取り用の勉強は「学び」ではありません。
2022年度から高校の新学習指導要領で、近現代の日本史と世界史を一緒に学ぶ「歴史総合」が新設され、「〇年に△△が起きた」よりも「なぜそれが起きたのか」を調査し、対話によって歴史の理解を深めていく授業に変わるようです。
そもそも歴史とは「人と人が織りなす物語の連続」であり、それは現在までつながっています。ある原因があって出来事が起き、その結果が原因となってまた次の出来事が起きる。原因と結果の繰り返しはまさに人生そのもの。「誰かが命を懸けて決断してきた本物の人生ゲーム」だから、心躍る小説やドラマになるのです。
経験の少ない子どもがイメージするのに歴史マンガはいいですね。最近の子どもが「印籠」を知らなくてびっくりしました。私は子どものころ祖母と時代劇を見ていたので、「水戸黄門」「大岡越前」「暴れん坊将軍」で江戸時代をイメージできました。アニメ「一休さん」や「もののけ姫」は室町時代ですね。
だから私は子どもとNHK大河ドラマを見ています。昨年は2024年から新1万円札の顔になる渋沢栄一を主人公に幕末から明治、今年は平安末から鎌倉時代が舞台です。たった45分の「家庭内歴史塾」。テストや受験のためより、より良き世にするために生きた「人間力」を学びたい。それはいつかどこかで自分の人生に生きるかもしれません。
これから学校では歴史に限らず他の教科でも、知識の詰め込みではなく「なぜ?」「自分だったら?」と常に主体的に頭をフル活動する授業になります。「家庭でも普段から子どもに判断をゆだねる練習をしなければ」と自戒しています。(小島亜矢子さくら*みらい塾代表)