【ガンズリポート】山雅実績つなげ公共施設に生理用品無料設置広がる

松本市は無料で使える生理用品を、地区公民館や児童センターなど177の公共施設のトイレ計392カ所に置き始めた。大量の用品を確保できたのは、チャリティー団体「レッドボックスジャパン」(東京)による無償提供のおかげ。女性の生理について理解を広める取り組みをしている松本山雅が、両者をつないだ。
同市では、用品が買えない「生理の貧困」が問題になったのを受け、2021年に保健センターの窓口などで無料配布を開始。昨年4月にはMウイング(中央公民館)のトイレで、試験的に無料設置を始めた。
どちらも着実に利用され、「ニーズがあることが伝わってきた」と市人権共生課。「どこのトイレにも当たり前に置けたら」と拡大を検討し始めた。
ネックは経費。学校などに生理用品を寄付し、サンプロアルウィンのトイレにも提供しているレッドボックスを昨年10月、山雅から紹介された。
市が、無償提供してもらえるトイレの数を尋ねると、「何カ所でも」との回答。農産物直売所やキャンプ場などを含む、市が管轄する施設の56%をカバーした。初回は2カ月分(164万円相当)の用品が提供され、「ありがたい」と同課。国際女性デーの3月8日から置き始めた。
中信地区では他に、安曇野市が市役所本庁舎で、池田町が交流センターと総合体育館で、山雅と連携したレッドボックスの提供で無料の生理用品を置き、大町市でも計画が進んでいる。
山雅事業推進部の渡邉はるかさんは「これだけ導入されたのは、自治体も課題意識を持っていたということ。山雅がレッドボックスとやってみて実績を残し、行政につなげることができた」と話している。