【ガンズリポート】マッチレビュー 9節・4月20日 山雅2―1讃岐

トラブルに冷静対応

松本山雅FCはリーグ戦で5試合ぶりに勝利した。試合中にゴールの交換が必要になる前代未聞のトラブルが起きたが、チームも運営スタッフも冷静に対応。1カ月ぶりの勝ち点3を、ピッチ内外の全員の力で勝ち取った。

ゴール損傷 中断時間に選手は意思統一

後半36分に勝ち越した場面。クロスを蹴ったMF安永玲央が勢い余り、ゴールネットに倒れ込むと、ネットを張るための支柱が根元から曲がった。ネットはだらりと垂れ、試合は中断した。
Jリーグの記録では、ネットを修復するための中断はこれまで何度もあったが、ゴール自体の損傷は初めて。山雅に対応マニュアルはなかった。どうするか?
スタッフの輪から「置きゴールもあるよ」と声が上がった。学校などのグラウンドでよく見る、前面の枠と後ろのフレームが一体になったタイプだ。サンプロアルウィンの外周に備えてあった。
主審に使用の許可を取り、運び入れた。急いでネットを張る。作業が完了して据え置かれると、観客席から拍手が起きた。
その頃、山雅の選手はベンチ前に集まり、この試合をどう勝ちきるか、念入りに意思統一していた。DF橋内優也は「中断で話す機会があったのがよかった」と振り返る。
試合は中断から24分後に再開。交換作業には運営会社の営業担当やユースアカデミー、サンアル指定管理者のトイボックスのスタッフも協力した。交換できなければ試合が打ち切られ、後日の再開になる恐れもあった。曽根原克朗運営部長は「あれだけ大勢のメンバーがとっさに来てくれた」と感謝した。