【ガンズリポート】世界で活躍する人材育成

ユースアカデミーで英会話学習

松本山雅FCが、選手育成組織のユースアカデミーで英会話学習の支援を始めた。将来は海外でプレーしたいという子どもたちに、サッカーの技術に加え、英語のコミュニケーション能力も身に付けてもらうのが狙いだ。
21日夜、松本市かりがねサッカー場(惣社)の管理棟会議室に、U-15(15歳以下)の中学1年生22人が集まった。練習前に開かれる英会話のレッスンに参加するためだ。
初めにコーチが呼びかけた。「みんな海外に行きたいよね?コミュニケーションは、どこでもある程度は英語。この時間は、サッカーの練習より価値があるかもしれない」
レッスンを担当するのは、山雅のオフィシャルスポンサーで、英会話学校などを運営する同市の「エー・トゥー・ゼット(AtoZ)」(高宮中)の講師。
初回のこの日は、自己紹介が中心。講師が例文を話し、選手らが隣同士で好きなものなどを英語で伝え合った。講師は「若いみんなは耳がいいので、とにかくまねて。一番やってほしいのは、楽しくしゃべること」。
受講した太田朔(はじめ)さん(12、丸ノ内中)は「Jリーグで活躍し、イングランドに行きたいので最近、英語の勉強も意識している。サッカーの練習と両立させたい」。
サッカークラブが英会話を支援する背景には、子どもたちの海外志向の強さがある。この日参加したアカデミー生も、全員が海外でのプレーを目標に掲げているという。
その志向は、クラブの方針とも重なる。2019年に創設した育成サポート会員制度「RAZUSO(ラズーソ)」で掲げるのは、「信州から世界へ羽ばたく選手を育てよう」。エー・トゥー・ゼットとは「グローバルエデュケーションパートナー」という契約も結んだ。
年度替わりの時期に、U-12とU-15で外国人と心を開いてコミュニケーションするセミナーを開催。さらに新中学1年生を対象に、週1回のレッスンを始めた。
受講は無料。エー・トゥー・ゼット民間教育部門の小林千絵さんは「子どもたちが自分の夢をかなえるためには、英語が必要な時代。スポーツはその象徴で、山雅さんと一緒に信州から真のグローバル人材を育てたい」とし、将来はレッスンの拡充も検討するという。