【ガンズリポート】“成長”見えたプレー

松本山雅FCの名波浩監督の改革が、采配2試合目で結果に結びついた。初めてサンプロアルウィンのピッチに立った3日の東京ヴェルディ戦で、チームに9試合ぶりの白星をもたらした。選手たちは、新指揮官の言葉を実行することに手応えを得て、リーグ後半戦へ折り返した。
「次につながる成長過程の失点だと捉える必要がある」。GK圍(かこい)謙太朗は、東京V戦の失点をそう評価した。なぜなら「今までは体に当たらずに失点していたのが、当たってやられたので」。確かに、DF星キョーワァンの伸ばした足が、ボールの軌道を変えた。
名波監督に守備で指摘されていたという。「みんなは戦っているつもりだろうが、体を投げ出したりスライディングしたりするシーンが少なすぎる」。新監督から、気持ちではなく、実際のプレーで表すことを厳しく求められた。だから、失点したにせよ、「当たった」事実に“成長”を見いだせた。
前を向けたのは、圍だけではなかった。同点にされた2分後、またも自陣ゴール正面で相手にボールを持たれた。シュートを防ごうと、MF佐藤和弘がスライディングし、DF宮部大己が倒れ込んだ。だが、かわされた。続けて、MF表原玄太、星が滑り込む。また、かわされた。ついにシュート。だが、ボールはなおも飛び込んだDF常田克人に当たり、枠を外れた。
山雅の勝ち越し点が生まれたのは、この2分後だ。決めたFW阪野豊史は、名波監督の元へ駆け寄った。「みんなで一体感をもってやろうとしている。早い段階で結果が出たのは大きい」
再建へ、チームで歩みを速めようとしてる。