県北アルプス地域振興局総務管理・環境課の入野さんに聞く―外来植物の特徴と駆除方法

野の草花が芽吹き、勢いよく育つ季節。河川敷や道路端、あぜなどに生えた植物の中には、繁殖力が強く、生態系などに重大な影響を及ぼす「特定外来生物」に指定されたものもある。きれいな花が咲く種類もあるが、これらは駆除が必要で、芽吹き、種を付ける前のこれからがその適期。植物の特徴や駆除方法などを、県北アルプス地域振興局総務管理・環境課環境係の入野輝担当係長に聞いた。
駆除が必要な外来植物は元来、観賞用や輸入穀物に混じって渡来したとされる。多くの種子を付けたり、地下茎で増えたりして、刈っても再生するものも。種が自動車のタイヤや靴底に付着し、道路沿いなどに広がったケースも見られる。
成長が早く、草丈やつるが伸びて他の植物に必要な日光を遮ったり、根から発芽や生育を阻害する物質を出したりする。その結果、在来植物が衰退し、地域の生態系に悪影響を及ぼす恐れがある。
県や大北地域5市町村、関係団体・企業などでつくる「豊かな環境づくり大北地域会議」は、県内の広範囲と大北地域でも生育が確認される4種を取り上げ、特徴や駆除方法を示したハンドブックを発行。一度繁殖すると、短期間での根絶が難しいことから、「複数年のスパンで考え、根気よく取り組んで減らした場所もある」と入野さん。継続的な駆除を呼びかける。
オオキンケイギクやオオハンゴウソウは花がきれいで、庭先などに生えると残してしまう人も。入野さんは「植えた覚えがなければ疑い、インターネットなどで情報を得て、見分けて駆除を」と注意喚起。特定外来生物は栽培や、生きたままの運搬などが原則禁止されていることも知っておきたい。
県は6月を「アレチウリ駆除強化月間」とし、住民参加で集中的に駆除に取り組む。

【特徴と駆除の適期】
アレチウリ(特定外来生物)

ウリ科の1年草。つるを伸ばして繁茂し、他の植物を覆う。河川敷、林縁、畑地などに生息。芽生え期が5~10月ごろと長く、駆除は5~8月ごろの間に3回以上が望ましい。できるだけ小さいうちに抜き取るのが効率的。

オオキンケイギク(同)
キク科の多年草。河川敷や道路沿いなどで見られ、大群落をつくることも。根茎からも増える。5~7月ごろにコスモスに似た黄色い花が咲く。葉の形は細長いへら状。開花して見つけやすい5~7月に駆除を。

オオハンゴウソウ(同)
キク科の多年草。路傍、河原、湿原、沿線などに生育。しばしば大群落を形成。背が高く、花弁がやや垂れ下がり中心部が大きく盛り上がった黄色の花を7~10月ごろに咲かせる。駆除は、地上部が大きく成長する前の5、6月が効率的。

セイタカアワダチソウ(侵略的外来種)
キク科の多年草。河川敷、土手、休耕地などに生息。草丈が人の背丈以上になるものも。8~10月ごろに黄色い花を付ける。1株で数万個の種子を付け、地下茎でも繁殖。駆除は、6、7月の若芽期と、10、11月の開花期に。

【駆除、処分方法】
コップなどで根こそぎ抜き取る。広範囲の駆除には刈り払いも有効だが残った地下茎から再生する種類もあり、継続して行う。
抜き取り、刈り取り後は、花や種が飛び散らないように密閉できるごみ袋などに入れて枯らし、自治体の処理方法に従い処分する。