【降幡愛のふりりんjourney】 #48 旅の続きをまたいつか

丸4年、コラム「ふりりんジャーニー」を連載させていただきました。信州出身の自分にとってはすごく大切な場で、反響も大きく、最終回を迎えたのはとても残念です。
最後の原稿を書く前に、これまでのアーカイブを一読しました。振り返るとこの4年、いろんなことがありましたね。それは私だけではく、読者の皆さんも同じじゃないかなーと思います。
コロナになり、リアルな旅の紀行を書くのは難しい状況ではありましたが、その中でもできることを見つける、良い機会になりました。濃密な4年間を、この場でつづることができて、本当によかったです。
このコラムでしか語らなかったことも多く、信州の皆さんとのつながりを強く感じられる、特別な場だったなと改めて思いました。お仕事やプライベートで訪れた場所などを、もっと紹介したかったな─という思いも、もちろんあります。
連載はいったん幕を閉じますが、また違った形で私の旅の続きを、信州の皆さんにお見せできたらと思います。ではまた、どこかで!
(おわり)

ふりりんに聞く─4年間伝えてきたこと 〝古里との大切な接点〟

中信地方出身で声優・アーティストの降幡愛さんが、MGプレスに2019年10月から月1回連載してきたコラム「ふりりんジャーニー」が最終回を迎えた。4年間・48編のコラムで読者に伝えてきたことを振り返ってもらい、改めて古里への思いや今後の活動について聞いた。

信州でのライブ目標に

「出発点は、仕事やプライベートで国内外に行った旅の記録をつづる―ということでしたが、コロナで旅に出られず、私のお薦めの店だったり、価値観を紹介したりする内容に。それが、結果的によかったかな」と降幡さん。
SNSのコメントや手紙で、反響や感想が届いた。何より祖父母が、コラムを読むのを楽しみにしてくれていたという。「仕事が忙しかったり、コロナだったりで帰れない時間が続く中、古里との大切な接点でした」
執筆を始めた翌年には、ソロ歌手としてもデビュー。「声優の、もう一つの見せ方。『この人に会いに行きたい』と思ってもらえるような活動にしたい」。まだ実現していない信州での“凱旋ライブ”が目標だ。
大切にしているのは「独りよがりにならず、謙虚で」いること。声優として、歌手として「何かを創るのに、一人の力ではどうにもならない」。周囲と創り上げていく中で「皆が楽しめる環境づくりを心がけています」。
声優を目指す若者たちには「固定観念にとらわれず、今できることに取り組んで」とアドバイス。「好奇心旺盛に、視野を広く、いろんなものを見て、感じて、挑戦してほしい」と語りかける。
古里は「おいしい食べ物に、おいしいお酒も。年を重ねるごとに魅力が増す」場所だ。帰省するたびに「コラム読んでるよ」と声をかけられ、「信州とのつながりを、途絶えさせてはいけない」と感じたという。
「『みんなで創る』という方向性は変えずに、自分の好きなことを貫きたい。ゼロから創るものを磨いて、広げていきたい」。得意の絵や写真は、展覧会を開くのが夢。古里で歌や作品を披露する降幡さんに会える日は、そう遠くなさそうだ。

【プロフィル】
ふりはた・あい テレビアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」(2016、17年)の黒澤ルビィ役で声優本格デビュー。作品に登場する同名グループ「Aqours(アクア)」のメンバーとして活動し、18年のNHK紅白歌合戦に出演。20年にミニアルバム「Moonrise(ムーンライズ)」でソロデビュー。今年3月、「降幡愛と100のカルチャー」(太田出版)が刊行された。