麻績村で入浴とそば楽しむ集い

麻績村にある村営の日帰り入浴施設「麻績村福祉センター・みたらしの湯」で3カ月に1度、「入浴とそば談義を楽しむ集い」が開かれている。ここで出される「うまいそば」が村内外から多くの参加者を引きつけ、村のPRにも一役買っている。

宮川さん提供手打ちそばを

「そばを食べながら、出会いを楽しむ」ことが目的で、主催者で自身の手打ちそばを提供する宮川和平さん(76、同村麻)が、「村のPRをしたい」と2014年から始め、今年3月で35回目を迎えた。
定年を機に、趣味をつくろうと、友人と一緒にそば打ちを始めた宮川さん。教室にも通うなど、努力した結果、一般社団法人全麺協(東京)の「そば道段位認定制度」で四段の腕前になった。
この宮川さんが打つそばが集いの「主役」。提供するそばの一部には、宮川さん自身が栽培、収穫したソバや村産のそば粉を使用。会費は千円。通常の3人前を1人前とし、約50人前を宮川さん1人で打つこともある。
完全な赤字だが、「みんなが喜んで食べてくれる姿がうれしくて」と意に介さない。
宮川さんの打ったそばをゆでたり、盛り付けたりするのは参加者の役目。参加者も「お客さん」ではなく、「協力者」としてそばを食べるのが、楽しみであり、ルールだ。
3月の集いでは、「二八そば」と「寒ざらしそば」の2種類を食べ比べ。参加者は香りや食感などの違いを確かめながら、両方とも「モチモチでこしがある」と笑顔を見せた。

村のPRにも魅力発見して

村内には国の重要文化財になっている5体の仏像がある「福満寺」、各社殿が同じく国重文の「麻績神明宮」がある。みたらしの湯を利用することで、そばが目当てで村に足を運んだ人たちに、こうした村の魅力を発見してもらうことも目的の一つ。毎回の集いで行っているアンケートの中には、「参加するたびに村を知ることができた」などの答えがあるなど、うれしい反応が返ってきている。
また、そばに関する話題だけでなく、「庭のシンビジウムが咲いてうれしい」「最近は脳トレや筋トレに励んでいる」など、世間話に花を咲かせるのも集いの「味わい」。関崎正人さん(71、同村)は、「ここでの出会いや豊富な話題が楽しみ」と、何度も参加している。
宮川さんは「誰かに会いたい。そばを食べたい。そう思って麻績村に来てほしい」と期待する。
現在、集いの定員は10人だが、好評で毎回満員になるため、そばだけを楽しむ別の会を25日を皮切りに、年2、3回ほど開く計画という。
問い合わせは宮川さんTEL090・3440・1092