池田町会染の北アルプス展望美術館は23日まで、山林を中心に里山風景などを描く画家たちでつくる「日本山林美術協会」(東京都)の展覧会を開いている。全国の会員約50人のうち、34人の作品。ブナ林やソバ畑などを描いた油彩画、日本画、パステル画など計85点が並ぶ。
多いのは油彩画。会長で日本芸術院会員の佐藤哲さんは河口湖畔を手前にした富士山の絵など4点。他の会員も霧氷をまとった林を描いたり、安曇野の風景を描いたりしている。
面白いのは、縦に伸びたブナの木がたくさん並ぶ「美人林」(新潟県十日町市)を描いた作品と、横に広がる構図の尾瀬沼(福島県)の絵が隣り合わせに並ぶ様子。同じ作者だが、縦と横の対比が目を引く。
日本画は、わらぶき屋根の家屋の後ろに近くの山が見える絵や、妙義山(群馬県)の山裾が霧に包まれていく様子を描いた作品など。
同協会は1954(昭和29)年発足。山林愛護の気持ちを持つ画家たちの団体で、89年からは佐久市の「しなの山林美術館」で常設展示をしている。
今回の展示は一昨年冬、北ア展望美術館の学芸員らが佐久の同美術館を訪れて協会メンバーと会い、決まった。学芸員の倉科智幸さんは「協会発足70年の記念の年に開催できてよかった」。
午前9時~午後5時。月曜休館。一般600円、高大生450円。同館℡0261・62・6600