小谷村中土の中谷地区の棚田で1日、「棚田オーナー」による田植えが行われた。県内外の11組約20人が参加。山里の緑や地域住民との会話を楽しみながら手植えを体験し、爽やかな汗を流した。
同地区のオーナー制度は、地元住民でつくる「中谷郷が元気になる会」が荒廃した棚田を開墾し、保全や都市住民との交流を目的に始めて20年近くになる。
長年参加しているオーナーが多く、植える手付きは慣れたもの。参加者が一列に並び、遊び感覚で植えるスピードを競う場面もあった。
作業後、住民手作りの料理を味わいながら交流。秋は稲刈りを体験する。
圧倒的な速さで植え進んだ静岡市の永野知宏さん(48)は、同制度の開始間もないころから参加。「地元の皆さんともオーナーともすっかり顔なじみ。自然の中での作業は楽しい」
同会棚田部会の山本幸忠部長(69)は「高齢化で取り組みの継続が心配だが、移住者も管理に力を貸してくれている。オーナーも棚田の維持に協力してくれありがたい」と話した。
オーナー制度は、村内計4地区で取り組んでいる。