塩尻に「からあげ専門店UMEKO」開店 祖母の思い出と共に― 毎日食べられる優しい味を提供

塩尻市広丘原新田に、テイクアウトの「からあげ専門店UMEKO」が開店した。2022年に神奈川県から移住した田口真也さん(41)、京さん(35)夫妻が営む。店舗は、京さんの母方の祖母が住んでいた民家をリノベーション。祖母が家族のために作ってくれた、まぜご飯を再現、「毎日でも食べられる優しい味の唐揚げ」と一緒に提供する。
店名は20年に93歳で亡くなった、中島うめ子さんの名前から。近所の人が「あのうめ子さんの名前でしょ?」「明るく元気でかわいいおばあちゃんだった」などと声をかけてくれる。「私の知らない祖母の話を聞けてうれしい」と京さん。「こんなに名前を呼ばれてびっくりしていると思う」と真也さん。
軒下のロゴマークは、まぜご飯のおにぎりをイメージした木の下に、動物や人が集まっているデザイン。みんなが集う店にしたいという願いを込めた。
国産や地元の食材にこだわり、自分たちでしょうゆと塩のこうじをおこしてたれを作る。配合など試行錯誤して、「薄味でうま味を味わえるからあげ」を完成させた。弁当に添えるご飯は、祖母の作ってくれたまぜご飯のおにぎりだ。
唐揚げは「もも醤油(しょうゆ)(150円)」「むね旨(うま)塩(140円)」を一つから販売。しっかり味付けした「トリマヨ」「甘辛カシューナッツ」「油淋鶏(ユーリンチー)」などもあり、弁当もある。
田口さん夫婦は共に飲食店で働き、独立の夢があった。新型コロナで休業を余儀なくされた時、実現に向け動き出した。空き家だった祖母の家を拠点にしようと塩尻に移住。安曇野市明科中川手の龍門渕てらすのシェアキッチンなどで営業を始めた。
「いろいろな人とつながり店を構えられ、感謝の日々。長くみんなに愛される店にしたい」と真也さん。京さんも「古民家の一部を改築するだけでも商いができる。移住者へそんなスタイルを提案できたら」と話す。
営業は午前11時~午後8時。日、月曜定休。TEL0263・60・9612

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