松本の美容室オーナー タイで美容技術指導

美容室ル・シュオーナー 三井圭司さん

結婚や出産などを機に美容師の仕事を離れた女性の再就職を支援している、美容室ル・シュ(松本市深志2)のオーナー三井圭司さん(44)。3月末には、タイの元女性受刑者に技術を伝えるため、同国へ渡った。「豊かな生活を送り輝く女性を増やしたい」。熱意は国境を越えた。
三井さんは、フランチャイズ形式で安曇野、岡谷両市でも美容院を経営する。タイ支援の依頼は、親会社であり、同国の社会起業家支援組織チェンジ・フュージョン・グループと連携するラポールヘア・グループ(本社・宮城県)から受けた。同グループが海外で女性支援を始めるに当たり、国内で講師の実績がある三井さんに、白羽の矢が立った。
タイには6日間滞在。3人の女性に、TIJ(タイ法務研究所、バンコク)のトレーニングルームで、髪を染めるカラーリングの技術を伝えた。子どもがいる、入っていた刑務所が違う|など環境、状況は一人一人違うが、いずれも刑務官が推薦した人たちだ。3人とも熱心に三井さんの手元を見、質問し、実技にも挑戦した。
三井さんは「受刑者の労働環境を整え、技術を伝えるシステムをつくることが、再犯率の低下につながるはず。元受刑者が技術を身に付ければ、教える側になることもできると思う」と話す。
今後はオンライン講習を行うほか、松本などから美容師をタイへ派遣することも検討する。ベトナム、カンボジア、インドネシアといった国々のモデルケースにもなれば|と期待する。
9月には、元受刑者が働く美容室の開所式に出席、技術指導のためタイを再訪する。「技術が身に付けば仕事と生活のバランスが取れる」と三井さん。人生の選択肢が広がり、心身共に豊かになれる。「そのサポートがしたい。美容師の仕事を通し、タイと日本の架け橋になれれば」と力を込める。
ル・シュTEL0263・87・2318