【佐藤大史 アラスカ ライフ&ライト】 #4 〝アカリス〟 好奇心旺盛少しずつ近づき「ちらっ」

「アラスカで何を撮っている時が一番楽しいですか?」という質問をされることがある。答えは「いろいろです」となってしまう。オーロラもすてきだし、住んでいる人々も魅力的、子グマはかわいいし、ムースはたくましい。何を撮っていても、緊張も楽しさもあるのだが、一番気が緩んでいる時はリスかもしれない。
森に足を踏み入れると「ヂヂヂ!」と甲高い声を上げ警戒する。しかし時に、好奇心に負け、徐々に近づいてくる個体がある。過去の例でいくと、岩の上でじっとしている僕の所まで、わざわざ岩を登って近づき、ブーツに鼻先を触れて匂いを嗅いでいた子もいた。
リスに限らずクマもムースもそうなのだが、個体によって全く性格が異なり、行動パターンはさまざまだ。いろんなヤツがいるのはどの生き物も一緒。いつの間にか僕は、クマはクマ、リスはリスという区別をしなくなった。
この写真のアカリスに出合ったのは2024年の夏。森の中をガサガサと歩く僕に気付き、例によって甲高い声を上げ、木の裏に隠れながら高い所に駆け登っていく。その驚くべき速さ!このリスも好奇心が強いのか、少しずつ降りてきては、ちらっとこちらをのぞく。「あと何回か繰り返したら低い所まで来そうだ」と思って見ていた。数分待って撮ったのがこの写真。連れて帰りたくなるほどかわいい子だった。写真展では、2メートル超えの特大サイズのプリントで展示する予定だ。
(写真家、安曇野市在住)
<おわり>

佐藤大史さんの写真展「北の光景」が、7月12日から松本市中央2の信毎メディアガーデンで始まる。21日まで。午前10時~午後6時。入場無料。平日は佐藤さんのギャラリートーク、土・日曜はゲストとのクロストーク。21日は「極夜」撮影の報告会がある。いずれも午後2時から。