
2030年のフランスアルプス冬季五輪を目指して―。
アルペンスキーに取り組む松商学園高3年の澤村玲奈さん(17、松本市松原)は、全日本スキー連盟2025|26年シーズンの強化指定選手Bランクに選ばれた。
3歳からスキーを始めた澤村さん。明善中時代から頭角を現し、全国大会などで活躍。今年3月、第37回全国高校選抜大会(志賀高原ジャイアントスキー場)の大回転と総合で初優勝。この年代の全国トップ選手の一人になった。
強化指定選手に選ばれたことで、本格的な海外遠征が計画される一方で、費用が大きな負担に。松本から世界へ羽ばたく夢をかなえるため、24日から、資金調達を目的としたクラウドファンディングを始める。多くの人の応援を願っている。
地元から世界に挑戦したい
8日、安曇野市内のトレーニングジム。松商学園高3年の澤村玲奈さんは、ジムのトレーナーの指導で、筋トレに励んでいた。
澤村さんは、身長は166センチあるが、まだ体の線が細く、全身のパワーが必要とされるアルペンスキーの、主に回転と大回転を滑る上で、筋力強化は課題の一つ。雪上で滑れない今の時期は、こうしたジムでトレーニングするほか、高校の陸上とウエートリフティング部に交じって、それぞれの部員と同じ練習をしている。
◇
大学時代、スキー部に所属していた父・慎一郎さん(56)の影響で、3歳からスキー板を履いたという澤村さん。すぐに興味が湧き、明善小3年時に、初めてアルペンスキー競技の県の公式戦に出場。
明善中時代は全国大会で、2年時は回転4位、大回転9位。3年時は回転2位で、大回転は優勝した。
松商学園高に進学し、1年の時は結果が出なかったが、2年時の今年3月、全国選抜大会の大回転で初優勝。5位だった回転と合わせ、総合優勝も果たした。
今年、澤村さんと同じ全日本スキー連盟2025-26年シーズンの強化指定選手Bランクに選ばれた同年代の選手はほかに2人いて、良きライバル。その一人、森下つぼ実さん(17)は木祖村の木祖中出身だが、高校は秋田県の角館高に進学した。
このように、学費や遠征費補助のほか、大会時に公欠が認められるなど、アルペンスキーをする上での環境の充実を求めて、県内の有望選手が県外校へ流出するケースは少なくない。
澤村さんは、小学6年時から、プロの指導者がいるエイブル白馬五竜スキー場(白馬村)のレーシングチームに所属し、成長してきた。「自分は長野県の白馬で育ててもらった。だからここから世界に挑戦したい」と、シーズン中の公欠を認めてもらった地元の高校を選択した。
今シーズン、強化指定選手Bランク入りしたことで、海外遠征が本格化。8月、10~12月、来年1月に欧州遠征、2月に大会出場のため韓国遠征を計画。3月には出場の可能性があるノルウェーでの世界ジュニア選手権が控えるなど、シーズン中は約150日が海外生活。さらに、新たな高みを目指して大学にも進学する予定で、金銭的な負担は増してくる。
こうした状況の中、少しでも資金的な不安を軽減し、競技に集中したいと、300万円を目標にクラウドファンディング(CF)を行うことにした。
澤村さんは「強い意志を持ってアルペンスキー選手を続ける」と力を込め、「2030年のフランスアルプス五輪に初出場して、29歳になる38年の五輪で金メダルを取りたい」。松本から「雪上のヒロイン」が誕生することを期待したい。
CFの期間は24日~8月31日。支援はこちらから。