
Q 技能教科が好きなのに通知表の成績が上がりません。3年になったら高校の内申に響くと聞くので不安です。(中学2年男子の父、後編)
学校での学びを家庭で深められる機会を
A 前回、親こそ「評価」よりも「成長」に意識を向け、お子さんが技能教科によって新しい体験を得られることの大切さを伝えてほしいと書きました。今回は、各家庭でできる具体的なことをお伝えします。
「難しい」と教えにくさを感じる5教科とは異なり、家庭でサポートしながら親自身も一緒に楽しめることが多いと思いませんか?例えばわが家では、絵がうまくなりたかった母(私)は、子どもと一緒に一点透視図法の動画を見ました。手先が器用な祖母から裁縫を習いました。野球が得意な父と、夕方のグラウンドでボール投げを練習しました。家族でなくても、周りを見渡せば得意分野を持った方がたくさんいます。
小学生の頃は、地域の野山に入り自然に触れながら考えるツアーに月2回親子で参加させてもらい、中学生のコロナ禍には大叔父に畑の耕し方や野菜の育て方を教わり、牛舎経営をしている方に牛の世話をさせてもらいました。魚を捕ったり、鶏をさばく経験をしたりと、動植物の命に触れる機会も得ました。
こうした体験は学校の教科の枠を超えてSDGs(持続可能な開発目標)や経済活動にもつながり、人生観にも影響を与えているようです。技能教科をきっかけに、親子で社会の広さや奥深さ、人々の生き方に触れることができる。その結果、学校の成績にもつながったらラッキーくらいの気持ちで十分です。
技能教科は、学校で習うからこそ家庭で深められる、最高の学びのツールだと思います。実際こうした経験は大学受験での学校選びや総合型選抜にも関わってきますが、それについてはまた別の機会にお伝えしますね。
さてもう一つ、見逃さないでほしいことがあります。技能教科は、個性が表れやすい科目です。美しい絵を描く子、音程よく歌う子、独創的な作品を作る子、部活動の技術を生かして活躍する子…そんな友達を目にする機会も増えます。もしお子さんが「〇〇さん、すごい!」と素直に称賛する場面があったら、「友達の才能や努力を認められるあなたが素晴らしい」と、ぜひ誇ってあげてください。
比べなくていい、横並びじゃなくていいのです。技能教科は、さまざまな視点から人生を考える機会をダイレクトに与えてくれる貴重な時間。私はむしろこの時間数をもっと増やすべきと思っています!
(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)
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