「地域移行」による大きな変化に親世代は‐見つめる部活動の今と昔

地域移行が進み、大きく変わりつつある中学校の部活動。親世代に当時の話を聞くと「青春=部活だった」という人も少なくありません。共に松本市の信明中学校卒業生で3児を育てる白木誠さん(34、同市)と大野美里さん(同市安曇)に、部活動の思い出や地域移行に対する思いを聞きました。

部活動で始めたサッカー仕事に

2歳上の兄の影響で、中学から部活動でサッカーを始めました。平日は朝と放課後に練習、土日曜も頻繁に試合がありました。同学年の部員は12人くらい。毎日顔を合わせ、同じ目標に向かう仲間は、普通のクラスメートとは違う特別な存在でした。先輩とも仲が良く、一緒に練習メニューを考えることも。市内中学校の選抜チームでは、他校にも友人が増えました。
豊科高校、松本大でもサッカーを続けましたが、就職でサッカーに関わる仕事は意識していませんでした。転機は2012年、大学4年の時。サッカー部監督の齊藤茂さんから、松本山雅FCでトップチームのマネジャーを探していることを聞き「やってみよう」と思いました。
その年の8月にアルバイトから始め、卒業後に本契約。以来、現場に携わってきました。中学時代に熱心に指導してくれたサッカー部顧問の男性の先生が山雅の公開練習を見に来て、声をかけてくれた時はうれしかったです。
今年2月から、山雅の運営部の社員として働いています。スタッフの中には、中学のサッカー部の先輩や当時対戦した同年代がいたり、子どもの運動会で昔の仲間と「パパ同士」として再会したり。サッカーが今も多くの縁をつないでくれています。

人間関係の変化親の負担増心配

6歳の長女、3歳の長男、9カ月の次女が中学生になる頃、部活動という形はなくなっているでしょうが、どんな場所でも出会う人とのつながりを大切にしてほしいと願っています。
子どもの頃から絵を描くのが好きで、中学は美術部に所属していました。部員は全員女子で10人ほど。平日の放課後、自由に作品を制作していました。油絵など、授業では扱わない道具を使えるのが楽しかったです。特に、容器に張った水に絵の具を垂らし、できた模様を紙に写し取る「墨流し」はみんなではまりました。
顧問は30代くらいの男性美術教諭。「こうしなさい」と言うようなことはなく、生徒の感性や自主性を大切にしてくれました。年頃の女子同士の難しい関係や先輩後輩の壁もなく、伸び伸びとした雰囲気で、制作しながら好きな男子の話や学校のうわさ話、テレビ番組の話に花を咲かせていました。
今は作品を作ることはありませんが、多感な時期に恵まれた環境で部活動ができたことで、今もあの頃のまま、のんびり穏やかな私があるのだと思います。
23歳の大学院生、21歳の大学生、高3の息子たち3人は、安曇中を卒業しました。山間部の小規模校で、当時から部活動は種目が限られ、部員が足りず公式戦に出場できないこともありました。
地域移行によりクラブチームなどの選択肢が増える半面、送迎で親の負担が増し、家族そろって過ごす時間が減ってしまうこと、学校の友達や先生との関係が希薄になってしまうことを案じてもいます。私自身、部活の楽しい思い出があるから一層感じるのかもしれません。