松本の母乳ジュエリー作家Ayakaさん 母と家族の絆を形に

世界で一つ 「宝物」を手作り

海外ではやり、ここ数年日本でも広まっている「母乳ジュエリー」。松本市のAyakaさん(31)=本名非公表=は、「MAKAMAE JEWELY」の屋号で、母乳やへその緒を使ったジュエリー作家として今春、歩み始めた。
授乳中のわずかな母乳や数ミリのへその緒を特殊な技法で加工し、ネックレスやリング、お守りなどとして普段から身に着けることができる。好みのパワーストーンと組み合わせたり、ネックレスやリングのデザインを変えたりもできる。
「(出産という)当たり前じゃない奇跡を、目に見える形でいつでも思い返せるように」。Ayakaさんは、出産や育児を頑張る母と、その家族の絆を形にする活動として、ジュエリーを手がけている。制作に込める思いを聞いた。

大切な思い出 形として残す

Ayakaさんは2023年12月に第1子を出産した。娘は無事に生まれたものの、妊娠中のエコー検査では、へその緒の中の血管が2本しかない「単一臍帯(さいたい)動脈」との診断に、不安な日々が続いた。出産時はへその緒が3周も首に巻きついている危険な状態で、誕生が「当たり前ではない奇跡」なのだと実感した。その後、娘の成長に喜びを感じつつも、卒乳するタイミングに寂しさが込み上げてきた。「何か残すことはできないか…」。調べていく中で母乳ジュエリーを見つけた。
母と子を命綱としてつないでくれていた“絆”のようなへその緒、赤ちゃんにとって最適な栄養源であり、深い愛情で結ばれる母乳。大切な思い出を形として残せるジュエリーを作ろうと、昨年から制作を始めた。

看護師の経験も母親たちの力に

産婦人科の看護師を務めた経験も大きい。約10年の看護師生活の中で、育児で孤独になりがちな母親の姿や、新生児を亡くしてしまった母親が悲しむ姿が忘れられなかった。母親たちの心のケアを特に重視して仕事に取り組んできた。
制作するときは、「途中のコミュニケーションや完成した作品を通じて、母親の力になりたい。病院ではできないサポートをしたい」との思いもある。屋号の「MAKAMAE」にはハワイ語で「最愛」や「宝物」といった意味がある。
ジュエリーは、衛生管理のもと、乾燥させたもの(母乳は粉状)をレジンで固めてジュエリーに使用するため、腐ることはない。完成品は、母親から子どもにお守りとして、夫から出産を頑張った妻への贈り物、自分自身の思い出としてなど、絆を象徴する世界で一つだけのハンドメードジュエリーとして人気を集めている。
Ayakaさんは「日々の感謝や愛情を思い出の一つとして残すお手伝いができれば」と話している。
指輪は8200円から。ネックレス、お守りは1万1千円から。問い合わせはインスタグラムから。