
松本市美術館(中央4)で「日欧プライベートコレクションロイヤルコペンハーゲンと北欧デザインの煌(きら)めき アール・ヌーヴォーからモダンへ」(MGプレスなど共催)が開催中だ。芸術監督による美しいデザインや、新たな技法の開発により発展してきた19世紀末から20世紀のデンマーク、スウェーデンの陶磁器、銀器、ガラス器など約200点を展示。その魅力に触れられる。
白磁に青模様 象徴的デザイン
1890~1910年ごろ、欧州を中心に全盛だった芸術様式・アールヌーボー。植物模様や柔軟な曲線で構成されたデザインが特徴だ。磁器では、釉薬の下に絵付けを施す「釉下彩(ゆうかさい)技法」などを指し、デンマークを代表する名窯(めいよう)「ロイヤルコペンハーゲン」が研究開発した。今年は開窯250周年。白磁に青い模様をあしらった「ブルーフルーテッド」が象徴的なデザインだ。
産業と芸術を融合する芸術監督らの作品も多数並ぶ。1985年に就任した建築家のアーノルド・クロー(1856~1931年)は、当時、難しかった青の濃淡やグレー、茶色など多色の釉下彩技法で絵画的な作品を極め、黄金期を築いた。
また、同じデンマークの「ビングオーグレンダール」では、画家で服飾デザイナーのピエトロ・クローン(1840~1905年)が、クローと同年に芸術監督に就任。自然物をモチーフとした彫塑的表現を打ち出した。両窯の作風を見比べるのも面白い。
ガラス王国で独自の技法発展
スウェーデンのガラス器も見どころだ。南部のスモーランド地方は、燃料の木材が豊富で、水車の原動力となる河川にも恵まれた。著名ブランドの工場が集まるガラス王国となった。
1726年に製鉄工場として創業し1989年にガラス工場を設立した「オレフォス」は、グラフィック作家とガラス職人らが、被かぶせガラス技法を発展させた独自技法を開発。日用品をより美しく優美に追求した同国のデザイン運動も追い風となり、「スウェーディッシュ・モダン」として躍進した。
これらの優れた北欧デザインは、当時表彰制度を設けていた万国博覧会や産業美術博覧会でグランプリを受賞し、世界的に有名になった。
白や青、ガラスの涼しげな雰囲気が漂う会場。担当学芸員の渋田見彰さんは「優れた北欧デザインを見ながら、身近な生活に思いをはせる機会にもなれば」と話す。
9月23日まで。午前9時~午後5時。月曜休館(8月12日、9月22日は開館)。一般1500円、大学生と70歳以上の松本市民は千円。同館TEL0263・39・7400