
気持ちを確認し対応
発達障害特性のあるお子さんの中には、感情との付き合い方が不器用な子がいます。例えば自閉スペクトラム症のお子さんは、自分の気持ちを認識することも、言語化することもスムーズにいきにくく、上手に相手に気持ちを伝えられなかったり、嫌な気分を引きずって気持ちを切り替えられなかったりすることがあります。また、他人の気持ちに気づきにくいこともあります。一方でADHDのお子さんは、感情の振れ幅が大きく、急に怒ったり泣いたり、気分がくるくる変わりやすい傾向があります。
こうした特性は、子ども自身のせいではありません。脳の感じ方や情報処理の仕方の違いによるもので、「感情がない」わけでも「わがまま」なわけでもないのです。まずは、自分の感情に気づいて、今の状態を感情を表す言葉と結びつけることが第一歩になります。
その子が感じている気持ちを代弁していきましょう。「うれしいね」「びっくりしたね」「心配だね」「緊張するね」と、その時の表情や行動に合わせて言葉にすることで、子どもは「あ、これはこういう気持ちなんだ」と学んでいきます。ともすると、ネガティブな気持ちは否定されがちです。例えば、転んだときに「痛くないよ」とか、他児に悪気なく嫌なことをされたときに「大丈夫だよね」と声をかけがちですが、これでは混乱してしまいます。「痛かったね」「嫌だったね」と、本人の気持ちを確認した上で、その気持ちに対応していくようにしましょう。
また、家庭や学校に「感情のポスター」や「気持ちのスケール」のようなものを貼り、日常の中で大人自身が「ドキドキしたー」「わくわくしてる」「いまの緊張度は5です!」などと自分の気持ちを言葉にして伝えることも大切です。そして「太郎君は今どんな気持ちかな?」と選んで答える機会もつくることで、気持ちに注目したり、表出したりの練習になります。