ベビーウェアリング・アドバイザー杉山清香さんに聞く‐抱っこひもで親子の絆づくり

趣味など楽しむ余裕も

育児に欠かせない「抱っこ」と「おんぶ」。安全で快適な抱っこひもの選び方や使い方を助言し、親子の絆づくりや育児の負担を減らすサポートをする民間資格「ベビーウェアリング・アドバイザー」の杉山清香(さやか)さん(39、池田町会染)に話を聞きました。
★身体の発達や愛着形成に
ベビーウェアリングとは、密着・安定した抱っこひもを使って、赤ちゃんを抱っこ、おんぶすることです。その理論は解剖生理学、小児発達学、心理学、社会学等の学術的根拠に基づき、日本ベビーウェアリング協会では、安全で快適なベビーウェアリングの普及啓発活動に取り組んでいます。
14歳から2カ月まで4男1女を育てながら助産師、カメラマンとして活動している杉山さんがベビーウェアリングと出合ったのは、三男(7)の出産後です。赤ちゃんの発達と抱っこの関係について学び始めた時期で、「それまでは『抱っこひも=運ぶ道具』という認識でしたが、もっと大切な意味があることを学びました」。
大人の背骨は直立時、横から見ると、緩やかなS字を描きます。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんは丸みを帯びたCカーブ。その姿勢を保つように抱っこすると無理がなく、ベビーウェアリングでは赤ちゃんの腰を膝の高さより低く、骨盤を緩やかなJ字に傾けて抱きます。
また、脚はカエルのように股をM字に開いているのが正常です。「股関節脱臼を防ぐために、抱っこやおんぶをするときは、股関節の動きを妨げない姿勢が望ましいです」
★心地よく過ごすために
杉山さんが抱っこやおんぶで使うのは、1枚の長い布「ベビーラップ」です。どんな物でもいいですが、「大切なのは『赤ちゃんにとって良い姿勢を保てるか』と『調整方法を理解しているか』です」と杉山さん。「足がブラーンと下がっていたり、背中が反り返ったりしている場合は、もっと心地よい姿勢に改善できるかもしれません」
「赤ちゃんは、お母さんの心音や呼吸のリズム、ぬくもり、におい、五感で安心感を得て、体も心も育っていきます。だから抱っこは親子にとって本当に大事な営み。抱っこが快適になると、家事がはかどる、上の子の要望に応えられる、趣味や好きなことを楽しむ余裕が生まれるなど、お母さんがやりたいことが実現しやすくなります」
おんぶをするときの位置も重要です。赤ちゃんの顔が、お母さんの肩のすぐ後ろくらいの位置でおんぶすると、親子で同じ景色を見られ、お母さんの重心も安定して体が楽になるといいます。
また、最近SNSなどで注目されている赤ちゃんの「お口ポカン」(口を閉じるべき時に開いたままになっている状態)も姿勢に影響しているといわれています。ぶら下がるように低い位置で抱っこされていると顎が上がり、口が開きやすくなる。口呼吸が癖になると歯並びや顎の発達、さらに免疫面にも影響が出るともいわれます。自然な姿勢を保つ抱き方がとても大切です。
杉山さんは「産後は心も体も大変な時期です。親子が心地よく過ごせるものを選べるといいですね」と言います。