
看護師資格を持つ、青木渉央(しょお)さん(36)と三田知恵さん(30)は2月、塩尻市を拠点に、心と体の健康土台を整えるための支援活動をする「aotoisu(アオトイス)」を立ち上げた。二人は病院勤務時代、がんの終末期や新型コロナウイルスの患者に携わり、「生と死」に向き合ってきた。そこで感じたのが「今をどう生きるか」。ポジティブな考え方を導き出す「コーチング」などを通じ、「今、悩んでいる人」の悩みを取り除き、前向きに生きるための伴走をする。
具体的な活動内容は、未来をどうするかをイメージしながら目標設定し、それに向け、現状を変えていく手助けをする「コーチング」。精神的に落ち込んだり、病んだりしている人の心の調子や状態を元に戻すための「カウンセリング」。体のコンディションを改善する食事やサプリメント(栄養補助食品)などを提案する「体質改善」。この3本柱を、個々の顧客にヒアリングした上で、オーダーメードで組み合わせ。商品として提供する。
aotoisuを立ち上げた2月以降、全国各地の約70人の顧客に直接対面やオンラインで対応している。
小学校教諭の30代女性は、職場の人間関係で悩み休職。不妊治療もしていた。3本柱を組み合わせた「4カ月徹底伴走」という商品を実践したところ、妊娠し、職場復帰。妻の世話で疲弊していた夫の健康状態も改善した。
また、理学療法士の20代男性は、「このまま、この職場で過ごすのは違う気がする。ほかにできることがあるのでは」という「前向きな」悩みを持っていた。この男性に対してはコーチングで対応。絵を描くことが好きで、自身の本を出したいことにも気付いた。結果、個展を開き、10代の頃、脳出血した経験などをまとめた本も出版したという。
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塩尻市出身の青木さん。松本短期大看護学科(現・松本看護大)卒業後、県内の病院に約13年間勤務。終末期医療などに携わった中で、患者の「もっと健康に留意していれば」「やりたいことをやっておけばよかった」という声を多数聞いた。
その経験から、「元気なうちに自分のやりたいこと、生き方を、具体的に言語化する方法はないか」とコーチングに注目し、勉強開始。自身が学ぶうちに、「看護師もほかの働き方ができる」という考え方に至り、栄養指導や予防医学なども学び、2023年9月に退職。独立準備を始めた。
一方の三田さんは宮城県出身。東北大医学部を卒業後、同大付属病院に勤務。20年、茨城県の病院に転勤。当時、コロナ禍に突入する時期で、配属された部署は「コロナ病棟」に。以後3年以上続く、「コロナ看護」が始まった。
その中で経験した「コロナ禍のみとり」。誰もいない中で一人で亡くなり、袋にくるまれ、ひつぎに入る。その光景を繰り返し見ているうち精神的にも参り、「看護師として働くって何だ」と思うように。
今後の働き方や、看護師が社会に貢献するにはどうしたらいいかなどを考え、「まず、看護師が元気でなければ」という結論に。看護師を支援する側の仕事に就くことを決意。メンタルケア心理士の資格を取得した。
ある看護師を通じ、二人は出会い、同じ目標に向かって共に歩むことに。青木さんは「健康土台ということを多くの人に伝え続けたい」とし、「二人の原点である看護業界に、私たちのプログラムを導入できたら」と力を込めた。
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