
若い頃から登り親しんだ北アルプスの山々、恩師や山仲間との交流ー。山崎隆士郎(本名・隆士)さん(64、松本市岡田松岡)が、学生時代から暮らしなじんだ信州への熱い思いを写真とエッセーで表した「浪漫の都わが信州わが松本」を出版した。「気力、体力のあるうちに何か残したい」と考え、それが本だった。
季節ごとに変化する信州の自然、折に触れて感じた人の温かみなどについて書き残した日記やメモから、エッセー90編を選んだ。エピソードがちりばめられた軟らかい文にマッチした200点近い写真がページを彩る。
京都市出身。父の転勤で名古屋市内の高校に通っていた時、進学は信州大農学部(南箕輪村)と決めた。受験の帰りに登った南アルプス仙丈ケ岳、駒ケ岳。1984年冬の北ア槍ケ岳、40年後には早朝の新聞配達を終えて同岳に登り、靴底がはがれるアクシデントに見舞われた。自転車がパンクしはだしで歩いていると助けてくれた「オヤッサン」、雪山で疲れ果てた身をわが子のように迎えてくれた山荘の「オババ」、農学部研究室で世話になった恩師…。
山崎さんは89年から松本に住み2年後に結婚。84年~2001年、南米へ5回訪れ、信毎夕刊に95年の「アンデスの風」をはじめ3回、ペルー紀行を掲載した。息子の1歳の誕生日はペルーのチチカカ湖に。「よくぞ好き勝手に行かせてくれた」と妻に感謝する。
24年夏に20年間勤めた信毎松本専売所を退職。その前から本の準備に取りかかる。この1年は新聞配達を続けながら文を練り直したり撮れていなかった写真のチャンスを待ったり、本作りに力を注いだ。「長い間撮ってきた写真とつながるものを作りたいと思い、それが目指す夢だった」。出来上がった本は友人らに届け、旧交を温めている。
A5判、216ページ。2200円。編集制作は信濃毎日新聞社出版部TEL026・236・3377