【醸す人々】#33 シャトー・メルシャン/桔梗ヶ原ワイナリー・ワイナリー長 高瀬秀樹さん

風土を生かした味で世界へ

「その土地でしかできない味わいを追求すると自然と好まれるワインになる。それは世界でも通用する」。こう話すのは塩尻市宗賀のシャトー・メルシャン/桔梗ヶ原ワイナリーのワイナリー長、高瀬秀樹さん(45)だ。同ワイナリーならではの特徴を引き出し、世界で評価されるワイン造りに励む。

メルシャンは同市の桔梗ケ原と片丘の2地区に自社農園を持つ。水はけに優れている扇状地の桔梗ケ原の畑では、メルローを栽培。
カシスやブルーベリーのような芳醇な香りで口当たりが柔らかい「信州桔梗ヶ原メルロー」は国際コンクールで大金賞を受賞したことも。さらに品質を高め唯一無二のワインを目指す。桔梗ケ原はメルローの栽培が盛んだが、「同じ品種でも、農家や土地の違いによって全く異なる香りや味わいになるのが面白い」と高瀬さん。
2017年からカベルネ・フランを中心に本格的に栽培を始めた片丘の畑は、西向きの傾斜で風通しがよい。キイチゴやサクランボなどや、スミレのような華やかな香りが特徴になるこの品種をメインにしたワイン造りは国内外でも珍しく、新たな「個性」の産地として期待する。
大学時代、植物と微生物の分野に興味があり研究をした。05年に同社に入社。ワインの香りや味わいに関する研究に9年間取り組み、フランスのボルドー大醸造学部に留学。フランス各地で醸造を経験した。
品種による味わいの違いを大切にしながら世界に通用するワインを追究する。
「ワインがもっと有名になれば塩尻や桔梗ケ原の知名度も上がり、多くの人が来てくれる場所になる」。研究者として培った視点と海外での経験を生かし、さらなる高みを目指す。

【沿革】
しゃとー・めるしゃん/ききょうがはらわいなりー 1877年に設立された「大日本山梨葡萄酒会社」が源流。1949年、「メルシャン」ブランド誕生。76年、塩尻市の桔梗ケ原でメルローの栽培開始。2018年、「桔梗ヶ原ワイナリー」オープン。
【高瀬さんおすすめこの1本】
カベルネ・フラン2023(750㍉㍑6500円)
【相性のいい料理】
赤みの多い肉料理、ジビエ料理も
【連絡先】
シャトー・メルシャン/桔梗ヶ原ワイナリーTEL0263・52・1111