ワイン×料理 ペアリングを理論的に導く本 ソムリエで料理人・朝日の吉平翔さん著す

ワイン好きに楽しんでほしい

肉には赤、魚には白。ワインと料理の定番の相性はよく知られている。だが、実際には料理もワインも種類はいろいろで、ベストな組み合わせはなかなか分からない。そんな中、感覚や嗜好(しこう)でなく、最適のペアリングを理論的に導く本「ロジックを楽しむ ワインペアリングの教科書」が刊行された。
著者は料理人でソムリエの吉平翔(しょう)さん(39、朝日村針尾)。ブドウの品種や地質、造り手、醸造データに、料理をかけ合わせて結論を導く。ワインの味わいの仕組みや歴史、土地の個性とワインの味わいなども盛り込んだ。読者がベストの組み合わせをを見つける手助けになりそうだ。
1月10日には、松本市中央2の信毎メディアガーデンで、出版イベントを予定している。

味わいを探り方法論を確立

「この料理にはこのワイン」と答えを書いた本は多い。だが、なぜそうなるかを、考えた人は少ないのではないか。「ロジックを楽しむ ワインペアリングの教科書」は、ブドウの品種や土地の記憶、造り手、醸造データを考え、感覚ではなく、組み合わせの根拠を論理的に解説した一冊だ。
著者の吉平翔さんは、和食の料理人でソムリエ。朝日村で吉平酒店と日本料理店「馳走(ちそう)よしひら」を営む。実は吉平さんは、アルコールがほとんど飲めない。さらに料理人とはいえ専門が和食と、ソムリエとしては珍しい存在だ。
ソムリエの資格を取ったのは2014年。以前勤務していた滋賀県の料理旅館「比良山荘」で「和食にもワインを」といった時代の流れもあり、ワインの在庫管理を任された。「当時は海外のワインが多く、ラベルが読めないので勉強を始め、ソムリエに挑戦した」と吉平さん。
ブドウの品種や造り手などで大まかな味わいを探り、そこに料理の要素を合わせていく。「味わいを決める五つの軸は香り、質感、存在感、酸味、余韻」と吉平さん。アルコールが苦手だからこそ、それを克服、さらに武器にし、自分なりのペアリングの方法論を確立した。
本はLESSON1~6の構成で、「ワインを知る」「ワインの骨格をつくるもの」などの章立てになっている。義父の下田力さん(67)が地質調査を手がけていることもあり、協力を得て県内の地質の特徴なども盛り込んだ。
「ワインを知る」の章では、品種ごとのキャラ(特徴、香り)が分かりやすい表になっている。「プロのペアリング大解剖」の章は、イタリア料理店「FIELD SUITE HAKUBA」(白馬村)と、和食の馳走よしひらの料理を例に、ペアリングの理論がどのように生かされるかなどを紹介。「家庭でできるワインペアリング」として、香りの好みからブドウ品種を絞り、脂多めの牛肉ならどんなワインがいいのか―など、実践的なレッスンのページも作った。
「仕事で実際にやっていることを、この本にぎゅっと詰め込んだ」と吉平さん。「ワイン好きに、よりワインを楽しんでもらうために書いた。料理好きにも面白いと受け止めてもらえるのでは」。自分なりのベストペアリングが見つかるかもしれない。
朝日新聞出版刊。B5判、207㌻。1870円。書店のほか、吉平酒店(TEL080・5349・6493)でも販売している。
出版イベントは1月10日正午から。ワイン付きのランチを提供する。参加費5千円。要予約で先着20人。申し込みは同酒店へ。