
資材の店先から見えた「変革の年」
今年は何が売れたのか。農業資材の専門店に聞いた。
山形、松川村など中南信で「農家の店ひまわり」5店舗を展開するリープコーポレーション(福島県)の高畠誠部長(60)は「『お米がない』で始まった1年だった」と振り返る。
昨夏から始まったコメ不足は年を越した。早くから2025年産も高値になることが見込まれ、高畠さんは農家から増産への意欲を感じたという。「やめなきゃよかった、もう一回やるという声も聞いた」。実際その後、農薬など関連資材が軒並み前年に比べてよく売れた。
収穫後の今はコメ袋。例年より少量の3㌔、5㌔用がよく出ているという。生産者が、高いコメを小分けにし、値頃感のある値札を付けて直売所などに出そうと買っていく。今の価格水準が消費者には高過ぎると感じ取っての販売戦略だ。
一方で、作柄は全国的にも県内も良好だった。春先にかけて、今度は価格の暴落を懸念する声もある。小分け戦略の背景には、早く売っておきたいという心理ものぞく。コメを巡る状況のいびつさがコメ袋を余計に小さくする。
田んぼも畑も影響を受けたのが猛暑だった。資材に求める暑さ対策といえば、遮光シートなど物理的なものだったのが、暑さに強い作物づくりに役立つ化学的なものに注目が集まっている。猛暑が異常気象ではなくなることを見越し、長期的な対策を目指した動きだ。
高畠さんが例に挙げたのが「バイオスティミュラント(BS)」資材。成分は微生物やビタミンなどで、肥料や農薬を補完する。土壌で植物の「活力」を引き出すことをうたうものが多く、効果の一つとして夏バテにならないことが期待される。ただ、土地によって効いたり効かなかったりで「マッチングが難しい」と高畠さん。
農産物を巡る社会環境も生産環境も変わっていて、それが資材の売り方にも影響する。高畠さんは「現場の動きを先取りして対応していきたい」と来年以降を見据える。