世界へはばたく助走の年始まる スキージャンプ女子の次代を担う白馬中2年・石﨑葵

白馬中学校2年の石﨑葵(14)は、昨季の全国中学大会(全中)で上位入賞するなど躍進した成長株。今季は全日本スキー連盟の強化指定Dランク選手にもなった。日本の女子ジャンプの次代を担う選手として同年代の頂点へ、そして世界へはばたく助走の年が始まる。

自分も「憧れの選手」に

昨季は優勝した伊藤有希(土屋ホーム)ら国内トップ選手が名を連ねた全日本選手権ノーマルヒル(一昨年10月、白馬ジャンプ競技場)に出場。全中(昨年2月、野沢温泉村)は苦手な形状のジャンプ台に対応できず表彰台は逃したが、1年生ながら6位と健闘した。
小柄だが体が柔らかく、低い姿勢から一気に立ち上がる踏み切り動作のスピードは男子並み。良い飛型を自分のイメージに落とし込み、体現できるのも強みだ。
昨年は試合や練習で膝と足首を負傷し、夏場をほぼ棒に振った。その間、自分が飛ぶ動画を見てイメージづくりを続けたが、それが正しいかを確かめられず、もどかしい日々を送った。ジャンプ選手専門のリハビリを受けて体幹を修正するなどし、けがをしない体づくりの意識を高めた。
「飛べない日も日常生活の中でジャンプを意識し、離れないようにした」と石﨑。今季は、昨季と同じ会場で開く2月の全中で優勝を、中高生が一緒に競う3月のジュニア五輪杯全日本ジュニア選手権(北海道名寄市)での入賞も狙う。
「(中学入学時は)空中姿勢が不格好で、安全に飛ばすにはどうすればいいか、というくらいのレベルだった」と、白馬村スキークラブで石﨑らを指導する目時慎一コーチ(50)は振り返る。
ジャンプ台が小さい小学生は、強い踏み切りができれば飛距離が出るが、中学生になるとそのままでは戦えない。助走姿勢を安定させ、踏み切った後も脚の力を抜かずに滑空フォームへのスムーズな移行を意識させ、空中姿勢を鍛えた。
「飛ぶ前に頭の中で固めたイメージと、実際の感覚や動きを合わせられるようになり、イメージ通りの飛び方に近づけられた」と石﨑。短期間で成長を遂げた。

目標は、同じ中学・クラブ出身で今季、ワールドカップ(W杯)に出場して2月のミラノ・コルティナ五輪代表入りを目指す宮嶋林湖(松本大)。お下がりのブーツやスーツをもらった先輩のジャンプは「ずっと見ていられる、すごく格好いい」。自身もW杯や五輪に出場し、「みんなの憧れの選手になりたい」と夢を重ねる。

いしざき・あおい
白馬北小1年時にアルペンスキーを始め、5年からジャンプに専念。6年時に県小学生スペシャルジャンプ選手権で優勝。中1時の全日本選手権ノーマルヒル35位、全国中学大会ジャンプ6位、ノルディック複合4位入賞。全日本ジュニアは中1で唯一の出場者。148㌢。