県内初チェアバレエで元気に―松本の教室・スタジオ「フェッテ」宮内ひとみさん

松本市城山のバレエ教室・バレエスタジオフェッテ主宰の宮内ひとみさん(51)は、県内で初めて「チェアバレエ・エクササイズ」のインストラクター資格を取得した。今年から本格的な講座を開催する。
椅子に座ったまま行う、バレエの動きを取り入れた高齢者向けのエクササイズ。健康維持や介護予防につながるほか、「若い頃、バレエに憧れていた」という女性たちの夢をかなえる。
また少子化で、今後のバレエ人口の減少が懸念される中、「バレエ教室が新たな方向へ向かう上で、経営の大きな柱になれば」と期待する。
「女性は幾つになっても美しくありたいもの。将来は発表会を開ければ」と見据える宮内さん。昨年末に開かれた「お試し会」を取材し、参加者の声などを聞いた。

バレエの魅力を幅広い年代に

昨年12月22日、宮内ひとみさん主宰のバレエ教室・バレエスタジオフェッテに80代4人を含む7人の女性が集まり、「チェアバレエ・エクササイズ」を体験した。
参加者は、宮内さんから「椅子には姿勢よく、背筋を伸ばして浅く座って」と指示を受け、用意されたパイプ椅子に座った。
クラシック音楽などが流れる中、足踏みしたり、手を振ったりしてウオーミングアップ。座っているため、少し激しい動きをしても体はよろけず、転倒する心配がない。
ハクチョウが羽ばたいているように手を動かしたり、扇子を使って表現に変化を加えたりするなど、バレエ独特の所作にも挑戦。徐々に動きが滑らかになり、椅子に座っていながらもバレエを踊っている雰囲気を感じさせるようになった。
約1時間のレッスン終了後、この日の参加者のうち最高齢86歳の深澤恒美さん(松本市波田)は「汗をかいた」と笑顔を見せながら「椅子に座っているから安心感がある」と率直な感想。卓球も趣味にしており、「同じくらいハード。健康によさそう」と話した。
昨年8月、宮内さんは参加者の一人で古くから付き合いがある瀧澤久子さん(83、同)から「高齢者でもできるバレエレッスンはないか」と尋ねられた。
そこで思いついたのが、都内の知り合いのバレエ教室で行っている「チェアバレエ・エクササイズ」だった。最近はやり始めたと感じていた。
早速同エクササイズの考案者の稲垣領子さんを訪ね、インストラクターになるための講習を受けた。

介護予防要素でロコモ予防期待

稲垣さんはこのエクササイズについて「バレエの基本『正しい姿勢』を大切にしながら体幹を強化でき、介護予防運動の要素を取り入れ、ロコモティブシンドローム予防の効果も期待できます。年齢を問わず、バレエの世界観に触れられるのも魅力です」とコメントを寄せた。
自身の要望が「チェアバレエ・エクササイズ」という形になり、初体験した瀧澤さんは「80歳を過ぎると運動する機会が少なくなってしまう」とし、「高齢者向けの体操もあるが、あまりやる気になれない。その点バレエは音楽があって優雅で、おしゃれで、夢がある」と、すっかり気に入っていた。
今年から本格的に講座を開くことにしている宮内さん。主な対象が高齢者のため、参加しやすいように自身の教室ではなく、公民館などで行う「出張スタイル」を想定している。
ゆくゆくは発表会のような、観衆の前で披露する機会も設ける意向という。宮内さんは「このエクササイズを通じ、バレエの魅力を幅広い年代に浸透させたい。元気で美しい高齢者を増やせるといい」と期待する。
問い合わせはバレエスタジオフェッテのホームページから。