
高齢化社会の現代。どう「老い」と向き合っていくかは、平成生まれの記者にとっても考えておくテーマだ。趣味や生きがいを持つ人はいつまでも若々しく見えるもの。そこで多くの高齢者が参加しているという松本市の第一地区福祉ひろば(同市中央1)のサークルを訪ね、生き生きと活動している90代の大先輩3人に話を聞いた。その明るく温かい人柄から、想像以上の元気をもらえた。
運動や会話が生きがい―菅沢房子さん(92、同市深志2)
★いきいき百歳体操
「人と直接会って話をするのが楽しい」と、毎週開催される同サークルに欠かさず参加する。この日は11人の参加者やスタッフに元気にあいさつし、冗談を言ったり世間話をしたり。はきはきとした声や柔らかな表情が、雰囲気を明るくする。「いつまでも若くありたい」と体操も真剣だ。
孫夫婦と3歳、5歳のひ孫と一緒に暮らし、ひ孫と一緒に簡単な体操をしたり、買い物に出かけたりすることもあるという「パワフルおばあちゃん」。福祉ひろばまでも、毎回歩いて来る。
同ひろばで開催される餅つき大会や講演会などのイベントにも「楽しいし、勉強になる」と、積極的に参加している。「私にとって憩いの場で生きがいなんです」と笑顔で話した。
若い頃から裁縫に熱中―梅北愛子さん(99、同市中央1)
★趣味の会
昔から、洋裁学校やパッチワーク教室に通うなどして物作りが得意だった梅北さん。「若い頃は夜中になっても作るほど熱中していた」と笑う。
着なくなった着物や洋服の端切れなどを活用し、両親や子どもなど、家族みんなに洋服を作ってきた。「洋服はほとんど買ったことがない。デザインを考えながら作るのが楽しい」と笑顔だ。
同サークルでは手提げバッグやポーチなどの小物を手縫いやミシンで作る。布に合わせて縫い糸の色を変えてみたり、花柄の刺しゅうを入れてみたり。
デザイン性のある作品は、サークルのメンバーからも好評。「あげると喜んでくれるのがうれしいから」と、仲間にプレゼントするのも楽しみの一つだ。
大工経験生かし切り絵―岩原勲さん(92、同市埋橋2)
★切り絵の会
「没頭できるし達成感がある」と77歳から続けている。始めたきっかけは認知症予防と大工の経験が生かせそうだったからだ。
2級建築士の資格を持つ岩原さんは、72歳まで大工として現場に立っていた。「自分で使う道具は、自分で研ぐ」が職人の誇り。切り絵で使う道具もそれは同じだ。
毎晩必ず制作に取り組み、過去に3カ月かけた大作もあった。「嫌なことがあるとあえて難しい作品に挑戦して嫌なことを忘れる」と笑顔で話す。
同サークルでは2年間講師を務め、今でもアドバイス役だ。また第3地区福祉ひろば(同市中央4)では、「切り絵の会」の代表を務め、同ひろばには、岩原さんや同会メンバーの作品が並んでいる。