
松本市寿地区の住民らによるボランティア「寿小学校にこにこルーム応援隊」が主催する「にこにこルーム」は、寿小学校の空き教室を活用し、全校児童と昔遊びを通して交流する活動です。毎月第2・4金曜の2時間目休み(20分間)に行い、1・2年生を中心に毎回100人ほどの子どもたちが集まります。
取材で訪れた昨年12月19日。2時間目が終わると、大勢の児童が一斉に会場の教室前に集まってきます。参加は自由。人数を把握するため、学年別の用紙にシールを貼ってから入室します。部屋では折り紙やお手玉、けん玉、廊下ではこま回し、テラスではボウリングと、多彩な遊びに子どもたちは目を輝かせます。
この日は、応援隊に登録する40~80代の男女20人のうち17人が参加しました。それぞれ得意とする遊びのブースに入り、子どもたちに教えたり、一緒に遊んだり。全体の様子を見守るメンバーが必ず一人おり、子どもたち自身も譲り合って道具を使うなど自主的にルールを作っているため、トラブルはほとんど起きません。
応援隊代表の竹渕那美さん(69、寿北)は「体や指先を使う昔ながらの遊びは新鮮で、ゲームとは違う楽しさがあります」。夏は七夕の短冊や笹舟作り、秋はハロウィーンにちなんだカボチャの折り紙、冬はクリスマスツリーの飾り付けなど、季節感のある遊びも大切にしています。
「ボウリングが一番好き」(1年男子)、「応援隊の人から毎回折り紙の新しい折り方を教えてもらえるのが楽しい」(3年女子)、「ここで初めてお手玉遊びを覚えた」(6年女子)と笑顔の子どもたち。最後は全員で手際よく後片付けをします。
「1年生が2年生になる頃には折り紙がとても上達していたり、上級生が下級生に遊び方を教えてあげたり。子どもたちの成長を間近で見られることがうれしいです」とメンバーの百瀬千春さん(66、同)。学校も協力的で、活動終了後に開く反省会に教頭先生が参加し、気付いた点を共有することもあります。
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にこにこルームは「子どもの居場所づくり」を目的に、寿地区地域づくり協議会子ども部会と寿小が連携し2017年度に発足、翌年度に本格始動しました。当初はボランティアが少額の会費を出し合い、遊び道具は住民が持ち寄ったり、ペットボトルなどを利用して手作りしたりと工夫を凝らしました。現在は松本市社会福祉協議会などからの補助金で活動しています。
寿地区は、畑仕事や豆腐作り学習などの学校行事を支援する「寿学校応援団」の活動を行うなど、地域と学校との交流が盛んです。「子どもの頃から地域の人たちと触れ合う経験が、大人になっても自然と地域と関わることにつながっていると思います」と百瀬さん。実際に、有償ボランティア「ことぶきサポート」の協力会員に登録している中学生が、高齢者のごみ出しをするなどの成果も生まれています。
竹渕さんは「コロナ禍でも少人数で活動したり、屋外に出かけたりと工夫して活動を続けてきました。子どもたちの『また来るね』の言葉を聞いた時の喜び、同じ志の仲間の存在が原動力。にこにこルーム存続のため、ぜひ若い世代にも応援隊に加わってほしいです」と話します。