
Q まだ保育園児ですが、上の子の書く漢字に興味を持っているようです。何か教室に通わせた方がいいでしょうか。(3歳、7歳の兄弟の母)
周囲を教材に楽しく学ばせて
A わが子が幼児期に、教えた覚えがないのに突然「松本」という漢字を読んだ時、本当に驚きました。思い返すと、「おばあちゃんがいるマツモト」について、テレビの天気予報や車のナンバーなど会話にたびたび登場していました。五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)の成長過程で、聴覚で聞いていた「マツモト」が、視覚で見た「松本」とフッと合致した瞬間だったのかもしれません。その時、音と意味、さらにアイコンや絵文字のようにイメージも伝える力を持つ漢字は、幼児にとって案外、「難しいもの」ではないかもしれないと感じました。
漢字を習うのは小学校1年生からで十分だと思いますが、もし今から興味を持っているようであれば、漢字を楽しく学べる「教材」として意識してみたらどうでしょう。家にある雑誌や新聞の文字、町に出たら標識や看板、お店の商品の記載など、世の中にあふれていますから。「これなんて読むの」なんていう言葉が出たら、興味の現れ! ちょっと読めただけで大人が驚いた!となったらお子さんは得意になって、もっともっと「知りたい=学びたい」と張り切り、吸収力は倍増することでしょう。
漢字は、ひらがなやアルファベットのように「音」を表す表音文字の部分もありますが、さらに「意味」も含む表意的な文字です。だから漢字を覚えるのは同時に語彙が一つ増えるようなもの。言葉の意味が分からないとイメージ・思考につなげることは不可能です。親切すぎるデジタルに任せすぎず、実生活の中でじっくり丁寧に、五感を使いながら自分自身のペースで世界を広げていくことを大切にしてほしいといつも願っています。
教え込む強制的な学びの前に、ご家庭で頻繁に漢字に触れることをちょっとだけ意識し、あとは学びを楽しむ中で幼児の世界が広がっていく様子を楽しんでくださいね。(小島亜矢子 一般社団法人こどものみらい舎代表)
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