
塩尻市広丘吉田の田川高校に本年度、「かるた同好会」が誕生した。小中学校の授業などで百人一首に親しみ、ドラマなどを見て競技かるたに興味を持った2年生の有志が、級友を勧誘したり顧問を確保したりして発足にこぎ着けた。会員らは今年、競技会に参加するなど活動を本格化させようと張り切っている。
メンバーと顧問の確保に奔走
競技かるたは1対1で対戦。小倉百人一首の下の句が書かれた取り札100枚から、それぞれが無作為に選んだ25枚ずつを自分の前に並べ、上の句が読み上げられると同時に札を取り合い、先に自陣の札がなくなった方が勝ち。
会長を務める飯田優月(ゆづき)さん(16)と級友で副会長の田中莉李花(りりか)さん(17)は、共に高校で入った運動部が合わずにやめたが、中学時代の部活動の経験から「仲間と青春したい」と思い続けていた。競技かるたに情熱を注ぐ高校生を描いた漫画で、映画やドラマにもなった「ちはやふる」に憧れ、小中学校でかるた取りをして楽しかった思い出も手伝い、昨冬から同好会結成へ動いた。
二人は規定のメンバー5人以上と顧問の確保に奔走。他部と兼部の原田知奈さん(17)ら4人を誘い、放課後は毎日のように教員を1人ずつ訪ねた。顧問はすぐには見つからなかったが、弓道部顧問の藤村雄一教諭(56)が「生徒のやる気、折れない気持ちを大事にしたい」と掛け持ちで引き受けた。
飯田さんは発足までの苦労を振り返り、「本当にやりたかったので諦めなかった。学校の友達と活動したかったから、同好会がとても楽しい」と話す。
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活動は週1回放課後、同校セミナーハウスの和室で。歌の始めの数文字を聞けば、取り札が確定できる「決まり字」を把握するなど、まずは百人一首の全首を覚えることから始めた。
メンバー6人は、かるた取りはしたことがあるが競技の経験者はおらず、指導者もいないため、「自分が知れば教えられる」と飯田さんが市内の塩尻短歌館で開かれる競技の教室「塩尻かるた会」に通い、知識や技を仲間にフィードバック。励まし合い、共に上達を目指している。
昨年秋にはクラスマッチの種目にかるた取りが加わり、飯田さんと会員の小松史奈(あやな)さん(16)が出場した2年1組が優勝。会の活動にも弾みがついた。
現会員にとって今年は活動の最終年。まだ対外試合の経験はないが、「やってみたい」と意欲的だ。会の存続に向け下級生の勧誘など課題もあるが、「頑張ればいける!」と天真爛漫(らんまん)。青春はこれからが本番だ。