【中村小太郎・自然派生活】#22 交流しながら正月飾りを手作り

正月飾り? 信州に移住してくる前はほとんど考えたことがありませんでした。スーパーマーケットの季節のコーナーで、貧弱じゃなく、そこそこ派手なのを選んで買っていた記憶しかありません。
8年前に塩尻市に移住した時のことです。最初の稲作も奇跡的にうまくいき、売るのには苦労しましたが、ITベンチャーで働いた経験を生かし「Amazon」に出店したら飛ぶように売れたのでほっとしていました。
その年の年末に、親戚のお兄さんから呼び出されました。「まあ、座れ。言う通りにせよ」。説教かよと思ったら、目の前のおけに入れて湿らせてあった青刈りの稲わらを指さして、こう言いました。「この辺りでは、男衆が正月飾りをなうのだ」と。
「最初からそう言ってくれよ」という言葉をぐっとのみ込み、ブルーシートの上にあぐらをかき、作業を始めたのでした。
神社の鳥居や本殿には、必ずしめ縄があります。五穀豊穣の願いがこもっており、稲作に関係があります。しめ縄の太い部分は雨を降らせる雲に見立ててあります。そして縦に結ばれているわらは雨を、白い幣は雷を表しているそうです。なんでも雷の多い年は豊作─という話もあります。そういえば雷の光を稲妻といいますね。
昨年末は、近所の人と交流しながら正月飾りを手作りしました。とても充実した時間を過ごせたので、良い年になるのは確定です。
(農業、塩尻市在住)