午年生まれ〝相棒たち〟と飛躍 「木曽馬の里」 飼育員 近藤菜々穂さん

「貴重な存在」守り続けて

木曽町開田高原にある「木曽馬の里・乗馬センター」の近藤菜々穂さん(24)は今年、飼育員になって3年目に入る。自身も午年生まれの年女。「より多くの人に馬に興味を持ってもらえる年にしたい」と、気持ちを新たにしている。
木曽馬の保護や繁殖、育成に取り組む同センターは、開田高原振興公社が運営する、乗馬体験や見学もできる施設で、現在約40頭がいる。
近藤さんは餌の用意や放牧、厩舎の掃除をはじめ、乗馬体験の受け付けや調教の勉強もしている。「生き物と関わる仕事で思うようにならないこともあるが、毎日が楽しい」と笑顔だ。

下諏訪町出身。幼い頃から動物が好きで、祖母も午年生まれということもあり、ことに馬に引かれた。諏訪清陵高校から帯広畜産大(北海道)に進み、馬の魅力を伝え広めようと活動するサークル「うまぶ」に所属。地域の小学生を対象にした乗馬体験会の企画運営や飼育に携わった。
「馬と関わる仕事に就きたい」と、3年生の冬に同センターで職場体験し、就職が現実的に。公務員や会社員などと違う特殊な業界で働くことへの迷いもあったが、両親から「とりあえず好きなことをやり、無理だったら帰っておいで」と背中を押されて決心。一昨年4月に振興公社の職員になった。
頭数が多く最初は馬の顔と名前を覚えるのに苦労したが、2年近く接してそれぞれの性格も分かるように。「ずんぐりむっくりした姿や、人懐こさがかわいい」と目を細める。
昨冬、馬ぞり体験で厩舎から約700㍍離れた場所に馬を連れ出した際、帰り道で馬が急に走り出すアクシデントも。一目散に進もうとする馬のたずなを必死に取って制したが、「一つ間違うと馬や人に事故が起こる」と痛感したという。

木曽馬は日本に8種類いる在来馬の一つ。昔は農耕用に各家庭で飼われるなど身近な存在だったが、時代の変化とともに数を減らした。1969(昭和44)年に住民らが保存会を結成して活動が始まり、現在は全国で約130頭が確認されるまで復活した。その活動の中心を担うのが同センター。「(木曽馬は)貴重な存在。資源として残していくためにも力を尽くしたい」と近藤さん。
5歳の時に初めてまたがった馬が木曽馬だった。「困らせられるのも癒やしてくれるのも〝この子たち〟」と愛着はひとしおだ。「互いに気持ちよく付き合っていかれるように、コミュニケーションを重ねていきたい」と相棒たちに目を配る。