
縄文時代の漆工芸について学ぶ市民講座が1月17日、塩尻市の平出博物館(宗賀)で開かれた。弘前大(青森県)人文社会科学部の上條信彦教授(松本市出身)が土器や木製品などのさまざまな漆について話し、約60人が聞き入った。
上條教授は東北各地での発掘の様子を紹介。泥炭の中から漆塗り土器を掘り出した瞬間を振り返り、「ぱっと赤い土器が出てきた。漆の色は、直後はみずみずしいが、だんだんくすんでしまう」と話した。
X線CTなどを用いて出土品を壊さずに分析する技術は日進月歩だという。上條教授は、器や櫛、土偶などの出土品に施された漆の素材や塗り方を調べた結果を、写真や動画も交えて解説。「日本の漆工芸技術は縄文時代で完成していると言っても過言ではない」とまとめた。
安曇野市から来た60代の女性は「初めて聞く話がぽろぽろと出てきて興味深かった。研究者の生の話と資料がつながり、そこに縄文人がいるような感じがした」と話した。
今回は、「縄文人と自然物の資源化」をテーマにした本年度の同館「土曜サロン」の一講座で、前回も漆について学んだ。小松学館長は「現代の塩尻の漆産業と、古い生活文化を融合させていきたい」としている。