
ほっこり 人気の家庭料理
上松町荻原の原聖子さん(65)は毎月1回、木曽町福島のコワーキングスペース「ふらっと木曽」で「聖子食堂」を開いている。本格稼働して3年目。今や地元だけでなく県外客も訪れる、知る人ぞ知る人気店だ。昨年12月の「すんき品評会」(スローフード木曽主催)ではすんき名人にも選ばれた原さん。「木曽のお母さんの味」を発信し、食べる人をほっこりさせている。
毎回、1種類の定食(1400円)を提供。1月15日は、サーモンのムニエル(すんきのタルタルソース、野菜添え)、高野豆腐と玉こんにゃくの煮物に、すんきのみそ汁とご飯が付いた。定番人気の「おはぎ付き」は1600円。なるべく地元の食材を使い、季節に合わせた料理を丁寧に作るのがこだわりという。
この日も開店から次々と客が訪れ、その場で食べたり、弁当にして持ち帰ったり。2回目の来店という名古屋市の女性(50代)は、「ほっとする味。食後は街中を散歩して帰りたい」。店の近所に住んでいる女性(70代)は、「こういう家庭料理を食べられる店は他にないのでありがたい」。用意した50食は完売した。
上松町生まれ。短大進学で地元を離れた。2005年、親の介護のために名古屋市からUターン。町内のスーパーで総菜作りを担当したほか、観光レストランの厨房で和洋食を作るなどして調理師免許も取得した。。
「ふらっと木曽」では定期的に地域の料理人による出張レストランを企画しており、原さんを知るスタッフが声をかけ2年前から本格的に出店。口コミなどで評判が広がった。
また、町内で開く宿泊体験型の講座や街歩きイベントなどの食事も担当するようになり、それらに参加した県外客が「聖子食堂」に来店するように。「皆さんに声をかけてもらったから今がある。いいご縁に恵まれ、ありがたい」と原さんは感謝する。
すんき品評会も知人の紹介で初出品。漬け方は、地域の講座で習ったり、王滝村出身の母(故人)や「名人」と呼ばれる人の味を参考にしたり。6年間、試行錯誤して今の味にたどり着いた。今回、名人に選ばれ、「光栄でもあり重みも感じる」。
最近までは料理の仕事をするとは思っていなかったという原さんだが、子どもの頃、母が作ってくれた四季折々の料理は心に強く残っており、「昔ながらの『お母さんの味』は絶やしたくないし、若い世代にも知ってほしい」。これが食堂を開く原動力だ。
原さんは、「活動は始まったばかり。これからも地域に寄り添いながら食の魅力を発信し、たくさんの笑顔に出会いたい」と笑顔だ。次回の「聖子食堂」は2月19日午前11時半~午後2時。予約優先。