【なないろキッズ】 #115 買い物慣れる練習を

繊細さやコミュニケーションの苦手さを持つ方の中には、「レジを通って買い物をすること」が大きな緊張や不安になる人がいます。レジでのやりとりは定型文のように見えますが、「レジ袋は要りますか?」と聞かれたときに声が小さくて聞き返されたらどうしよう、お金を出すのにもたもたして後ろの人に迷惑をかけたらどうしよう、昼間に子どもが一人で買い物をしていたら変に思われるのではないか…と、次々に不安が膨らんでしまうのです。
その結果、親にお金を渡して代わりに買ってきてもらう形が続き、高校生年代になってもレジが苦手で一人で行けないままになり、行動範囲が狭くなってしまうこともあります。学童期にお小遣いで自分の物を買うようになった時期は、実は大切な練習のチャンスです。
最初は、混んでいない時間帯に親と一緒に行き、親が支払いをする様子を横で見るだけでも十分です。本人が「やってみよう」と思えたときに、想定されるやりとりやお金の出し方を事前にシミュレーションしましょう。せりふを書き出しておくのも有効です。店ごとに流れや声かけが微妙に違うため、よく利用する店から一つずつ慣れていく方が安心です。
支払いも大きなハードルです。小さい財布の中で、適切な小銭を組み合わせて出すことは慣れないとなかなかできるようになりません。また「759円なら千円札を出せばよい」といった感覚も経験がなければ意外と分からないものです。小銭の選び方練習用アプリのようなものもあるので、家庭で模擬練習をするのもいいですね。
近年はキャッシュレス決済も広がっています。現金を出す手順が不要で小銭を選び取る手間が減るほか、お金を触りたくない潔癖の人にとってストレスが軽減されるかもしれません。一方で、実物がないことで金銭感覚がつかみにくいかもしれません。本人の特性や理解力により、現金がよい方、キャッシュレス決済が向いている方がいると思います。
また、スーパーなどではセルフレジも増えています。毎回ほぼ同じ手順で進められるため、この方が安心という方もいます。対人コミュニケーションが負担になる場合は、セルフレジから練習するのも一つの方法です。