
小さなグループで議論活性化
有機や減農薬などの農法に関心のある生産者同士をつなげるイベントが1月7日、県松本農業農村支援センターの主催で開かれた。「環境にやさしい農業情報交換会」で、盛り上がったのが小グループでのディスカッション。参加者たちは「初めまして」から交流を深めた。
より環境負荷の小さい農法を巡っては、例えば、農水省が2050年までに耕地の25%を有機栽培にする野心的な目標を掲げるが、現状は1%に満たないとみられる。マイナーな生産者にとって、仲間づくりや情報共有は大きな課題だ。
そんな悩みを、同センターの技術経営普及課の小林稔貴技師も現場で聞いていた。そこで今回のイベントの企画に際し、「研修会ではヨコの人と話さない。小グループで話し合う場をつくっては」と、「ワールドカフェ」形式を提案した。
同センターのイベントでは例のない形式だという。4、5人のグループに分かれ、カフェにいるようなリラックスした雰囲気で自由に話すという趣旨で、結論を出すというより新たな気づきやアイデアを出すのが目的。参加者はフラットな立場で向き合う。
この日の議論のテーマは「土づくり」と「販売」。イベント前半で講師を務めた「細井ファーム」(安曇野市)の細井正博さんもグループの一つに加わった。「教える―教わる」という立場を越えて、当事者同士がより気軽に情報共有する場になったようで、予定の30分でセンターの職員が終了を告げても輪の解けないグループが続出した。
就農して10年という柴隆之さん(50、山形村)は「ネット販売とか市の勉強会の情報とか、参考になることが多かった。人見知りだが、先輩農家と話ができた」と笑顔を見せた。
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、肥料などの資材が高騰し、農家は苦しめられた。今また年明け早々に国際情勢がぎくしゃくする中、農業の持続可能性を探る知恵が草の根でつながろうとしている。その機会が、貴重に見えた。