【中村小太郎・自然派生活】#23 自家栽培大豆で「手前みそ造り」

「手前みそで恐縮です…」。この枕ことば。私がリクルート社の営業職だった時に、自社サービスの説明用営業トークとして一日に何度も無意識に使っていました。全然恐縮せずに(笑)。
それが本物の手前みそを造るようになるなんて…。
さかのぼること、江戸時代中期。町人の間では自家製のみそのおいしさを競っていたという記録があるようです。
みその造り方だけではなくて、当時の流通事情も考えると、自家栽培の大豆も自慢の対象であったのではないかと想像します。さらに、現代は米こうじを買うことができますが、その原料の米でも差が付いたのかもしれません。
「ご隠居、わが家の手前みその味は最高ですよ」「はっつぁん、ご自慢はいいが、わが家のみその味見をしてからにしたらどうなんだい」。今では落語になりそうなやりとりがあったのかもしれませんね。
ひるがえって、現在の日本。「令和の米騒動」で、主食である米の品薄に恐怖しました。その怖さを一番実感した子育て世代の家族と一緒に、私が運営する「シェア田んぼ」で米作りをした話は、以前にしました。
同様に別の畑では14家族と大豆を育てています。種類は1978年、当時の県中信農業試験場で育成されたオリジナル品種「ナカセンナリ」です。この大豆は、煮てよし、豆腐にしてよしの「万能選手」です。
この自家栽培大豆での「手前みそ造り」が、私たち自給自足仲間の2月の歳時記になりました。いわゆる「寒仕込み」です。
今年も、子どもたちとワイワイガヤガヤしながら1年分仕込みます。
(農業、塩尻市在住)