安曇野の助産師二人が活動 「チーム子そだて」 地域の中に相談できる場を

安曇野市の助産師、寺島智子さん(68、穂高有明)と堀越より子さん(54、穂高柏原)が昨年立ち上げた「チーム子そだて(旧・みんなで子育ての会)」。子育て中の親だけでなく、祖父母や地域の人などにも正しい知識を分かりやすく伝えたいと講座を企画・運営しています。
長年第一線でお産に立ち会ってきた寺島さんと、同市に移住後「お母さんたちを助けたい」と産後の育児と家事サポートを始めた堀越さん。二人が出会ったのは2025年夏、松本市内で定期的に開催している「マツモトパレット~性を学ぶ会」でした。
寺島さんはお産の現場で痛感してきた「性教育の普及」を、堀越さんは家庭訪問を通じてママたちの困り事に寄り添う中での「虐待の防止」をそれぞれ大切なテーマとして活動。意気投合した二人は、「地域の中で相談できる場所を一つでも増やしたい」と思いを共有し、「とにかく今年は3回、失敗してもまずやってみよう」と講座の開催を決めました。
対象はパパ・ママ、祖父母などある程度世代で絞り、知っておいてほしい正しい知識や情報を伝えることにしました。また、人形を使って赤ちゃんの重みを体感したり、沐浴(もくよく)時の湯温を実際に確かめたりといった「参加者が手を動かして学べる体験」、リラックスした雰囲気の中で感想を語り合える時間も大切にしました。
会場探しやチラシ作り、掲示の依頼、教材準備など奔走して迎えた第1回「笑顔で赤ちゃんの沐浴をしよう」。しかし、参加者はまさかのゼロ。がくぜんとしますが、有料講座だとチラシを掲示できない場所がある、団体名よりテーマや対象を大きく書いた方が伝わりやすい、テキストは内容を絞り文字を大きく─といった助言を受け、それらを基に改善すると、第2回の「赤ちゃんのハンドリングテクニック」は2人、第3回「ジイジ&バアバ 助産師と話そう 今どきの孫育て」は3人の参加者がありました。
第3回のおしゃべりタイムでは、「ママが子どもを厳しく?っていても口出しできない」「洗い物や洗濯を手伝いたくても『自分でできます』と言われてしまう」などの悩みが祖父母から出ました。すると「お母さんが仕事復帰する予定があるなら、その時がお手伝いのチャンスじゃない」と別の参加者が提案。寺島さんと堀越さんは「同じ立場だからこそ思いを吐き出せる場の大切さを痛感した。話しているうちに頭の中が整理され、帰ったらまた頑張ろうと思える。そんな時間をこれからもつくっていきたい」と言います。

二人のテーマ、「虐待」「性教育」については抵抗感を持つ人がいると思い、これまでチラシなどに書いてきませんでした。しかし、回を重ねる中で「はっきり表明しないと伝わらないとも感じている。これからは少しずつ打ち出していきたい」と寺島さん。
堀越さんは「『子育ての大変さは忘れる』と言われがちだけど、お母さんたちは〝今〟で精いっぱい。祖父母世代は、自分たちの経験と違うことがあっても、若い夫婦に最新の子育てを教わりながらコミュニケーションを取ってほしい」と言います。二人は「身内ではなく、程よい距離の存在だからこそ育児の悩みやつらさを気兼ねなく話せることも。両親や祖父母のほかに、面白くて頼れる〝おばちゃん〟がいて話を聞いてくれる。そんなイメージを持ってもらえるように種まきを続けていきたい」
今後の開催予定、問い合わせなどは堀越さん主宰のインスタグラム「てのこころ」から。