
江戸時代は松本でも出版活動が盛ん―。信州大附属図書館が所蔵する江戸~明治時代の貴重な本など9点を展示し、松本に根差す文化を解説した特別展「松本の書物―花開く出版文化と文芸」が3月22日まで、松本市県3の旧制高等学校記念館で開かれている。信大人文学部などの主催。2月28日には会場で速水香織教授のギャラリートークがある。
メインは明和3(1766)年の「信府松本十景句集」の写本。山家(山辺)の桜花、宮村大明神(現深志神社)の夜灯、西山(乗鞍岳)の残雪など十景を題材に俳人42人が1句ずつを詠んだ420句を収録している。作者は武士と町人が入り交じり「当時の松本での、文芸を通じ身分を超えた交流の様子が分かる」。展示では各景に添えた絵と、現在の風景を写真で比較する工夫をした。
他に、文政3(1820)年に出された十返舎一九編「方言/修行 金草鞋」は、本町2丁目で本屋を開いた高美屋甚左衛門の店先を見開きで掲載。高美らが出した「信濃巡礼百番」(嘉永5=1852年)もある。
同展では、江戸時代の出版文化と文芸史の関わりをパネルで紹介。「松本で発展した出版文化と、その精華としての書物の姿を見てほしい」という。
信大の大学院生、学生らが調査や解説、展示を担当した。入場無料。28日のギャラリートークは午前11時、午後2時からの2回(各回30分)。問い合わせは信大中央図書館TEL0263・37・2172