
重要文化財に指定されている旧松本高等学校本館と講堂(あがたの森文化会館、松本市県3)。構内のヒマラヤスギ並木を含めて「学都」松本の象徴の一つだが、重文とヒマラヤスギとの「共存」という課題が浮上している。建物に近接した樹木が校舎に影響を及ぼす心配があるからだ。同館は、「二つのたから」の長期的な保存・調和を図る方策について考える連続講座を7日から開く。
本館は1920(大正9)年、講堂は22年に完成し、ヒマラヤスギが植えられたのも同時期。両建物は2007(平成19)年に重文に指定され、100年を超える歴史を刻んできた。ヒマラヤスギは近年、樹高が20㍍ほどに伸び、場所によっては枝葉が屋根にかぶさるような状態になっている。
同館によると、屋根の落ち葉で雨どいが詰まり、あふれた雨水で外壁の板が腐る被害が出ている。建物と樹木の間や木と木の間が狭く、高所作業車の活用が限られるといった悩みもあるという。
市は既に文化庁と協議し、建物に近い一部の木を伐採したり、枝を剪定したりする整備事業を26年度に実施する方針。事業開始に向け、校舎やヒマラヤスギを含めた「旧制松高」を長く後世に残すため、重文の建物とヒマラヤスギを含む自然環境を保存、調和させていく方法を考える狙いで、講座とフォーラムを企画した。
木下守館長(63)は「一部樹木の伐採などの事業について市民の理解を得ながら、将来にわたって『二つのたから』を共存させていくためのより良い知恵を出し合う機会にしたい」と話す。
7日の第1回講座は午後2時~3時半、木下館長が「学校とヒマラヤスギ」、第2回は14日同、福沢佳典主査が「旧松本高校の価値と保存継承に必要なこと」の題で話す。5、6月にも講座を開いた後、7月に集大成として専門家を交えたフォーラムを開催する予定。
入場無料。問い合わせはあがたの森文化会館TEL0263・32・1812