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朝日の演じる荘厳な“平安絵巻”(松本市島立)

烏帽子岩のシルエットを抱いて昇る朝日。薄い幾筋もの群雲がかかり、神々しい平安絵巻の風情が浮かび上がる(ニコンD5、ニッコールEDAF-Sニッコール1200ミリ、ND400)

烏帽子岩を抱き 日の出神々しく

松本市島立地区からだと小さな突起にしか見えない「烏帽子(えぼし)岩」(1621メートル)。1200ミリの超望遠レンズで朝日と共に捉えると、烏帽子をかぶった平安貴族の姿が浮かび上がった。
烏帽子岩は、美ケ原高原の「思い出の丘」からさらに北へ稜線(りょうせん)をたどると見える。6日午前4時59分、東の空に朝日が昇り始めると、烏帽子の形が影絵のように浮かんだ。まつげや顔の輪郭も臨場感豊かにリアルで平安絵巻を連想させる。
古代より「烏帽子権現」として祭られ、天から神が降臨する磐座(いわくら)としてあがめられてきた。一方、太陽も古くから世界各地で信仰の対象となっており、日本の神話でも天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れ、暗闇が広がったとされる。
「御来光」と呼ぶ太陽神信仰では、日の出の東の方位は「生」と「復活」を意味する。ファインダーを通し、朝日のエネルギーと原始の感動が伝わってきた。
日本の絶景の日の出は、富士山から昇る朝日だ。それも、はるか遠く離れた伊勢・二見浦の夫婦岩を通す朝日で、夏至前後の10日間は“ダイヤモンド富士”となる。
烏帽子岩を抱いて昇る神々しい時代絵巻の光景は、「サンライズ・松本」とも言うべき、全国に誇る壮麗神秘な日の出である。
(丸山祥司)